コンサドーレ
2021/12/31 18:49

”年男”小柏決めるぜタイガーショット!北の猛虎がエース名乗り

"年男"の小柏。今年の主役は爽やかな笑顔でガッツポーズ(撮影・桜田史宏)

 プロ2年目を迎える北海道コンサドーレ札幌の”年男”FW小柏剛(23)が道新スポーツの新春インタビューに応じた。今月21日に行われるキリンチャレンジ杯・ウズベキスタン戦(埼玉スタジアム2002)に臨む日本代表にも選出された寅(とら)年のストライカー。J1リーグで7得点を挙げたルーキーイヤーを振り返るとともに、今季に懸ける思いや理想のエース像などを語り尽くした。
(聞き手・石栗賢)

ルーキーイヤーに代表選出「自覚もって2桁得点目指す」

 ―1年目から7得点を挙げた
 「チャンスの数の割には足りていない。大卒1年目ではOKという見方もあるかもしれないですが、満足はないし、もっと結果を残さないといけない。得点できる場面で決めきれなかった反省もある。それが新シーズンへの課題」
 ―通用した部分は
 「自分の武器であるスピードや突破からのチャンスメークは通用した。一方でGKとの駆け引きやゴール前での落ち着き、精度はまだまだ磨ける」
 ―ペトロビッチ監督の指導で得た引き出しは
 「動き出しの質が上がった。一つ一つのコース取りや(※)プルアウェイの質、下りて受ける時も今は細かい角度まで注意している。何でもかんでもがむしゃらに動いていた大学生の頃と比べ、相手選手の裏をかく点は成長した」
 ―けがの多い1年目だった
 「プロで戦える身体をつくれていなかったんだと思う。試合数も大学より多く、負荷が違った。鍛えていかなければいけないし、日常の準備もプロとしてさらに気をつけなければいけない」
 ―一番つらかった時期は
 「4月に左肩を脱臼した時。開幕して2試合しか出ないまま、足の甲をけがした。復帰まで1カ月かかってやっと出られて、サッカーができる喜びを感じていたところで、今度は肩の脱臼。長期離脱になってしまうかもと思ったし、(肩は)癖になってしまう不安もあった。せっかく試合にも出させてもらって、活躍できるか、できないか大事な時期だったので悔しかった。若手なのにこんなにけがをして大丈夫なのかと。現実を突きつけられた感があった」
 ―2年目を迎える。今季の目標は
 「チームとしては年に達成できなかったACL(アジア・チャンピオンズリーグ)への出場権獲得を引き続き、目指したい。個人としては得点で引っ張りたい。もう2年目。自分が引っ張る意識、自覚を持って2桁得点を目指したい」
 ―2桁へのこだわりは強い
 「レジェンドと呼ばれる選手や代表クラスのプレーヤーは2桁得点をJリーグで取り続けている。日本代表や海外でプレーするために必要な基準だと思う」
 ―小柏剛にとって『エース』とは
 「点を取ってほしい時に取ってくれる選手。その選手がいる、いないでサッカーが変わってしまう。かけがえのない選手がエースだと思う。僕はコンスタントに得点を取るのはもちろん、大事なところで点を取れる選手になりたい。5―0の5点目じゃなく、1―0の1点を取れる選手。1点負けてる場面で入って、2点取っちゃうような選手が理想」
 ―サッカー選手としての将来像は
 「いま23歳。今年、もしくは、その次の夏くらいには海外でプレーしたい思いがある。そのためには代表入りできるレベルにならなければいけない。数年先のプランはないですが、25歳までには代表や海外でプレーする選手になりたい」
 ―今年は寅(とら)年。年男です
 「獲物を狩るようにチャンスをものにしたい。得点という獲物をしっかりつかんで、チームに貢献したい」
 ―寅年にちなんで、漫画「キャプテン翼」の主要キャラクターでもあるFW日向小次郎に扮(ふん)して頂きました
 「子どもの頃、キャプテン翼はビデオで見ていた。タイガーショットを放つ日向小次郎はまさにストライカー。翼君よりも印象が強い。僕も日向君みたいになりたい」

※プルアウェイ=相手ディフェンダー近くまで寄り、引きつけておきながら、急に空いているスペースへ走りだし、ボールを受ける動き。

■プロフィール

小柏 剛(おがしわ・つよし) 1998年7月9日、群馬県出身。5歳でサッカーを始める。大宮アルディージャU-15、同18で技術を磨き、明大では3年時から背番号10を背負った。J1屈指のスピードを誇るストライカー。開幕戦から先発起用された1年目の昨季は30試合に出場して7得点。今月21日に行われるキリンチャレンジ杯・ウズベキスタン戦の日本代表メンバーに初選出を果たした。167㌢、67㌔。利き足は右。

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