日の丸飛行隊男女エースが魅せた 沙羅 お待たせW杯今季初V
■ノルディックスキー・W杯ジャンプ女子 個人第9戦 1日、スロベニア
ノルディックスキーのW杯ジャンプ女子は1日、スロベニアで個人第9戦(ヒルサイズ=HS94メートル)が行われ、高梨沙羅(25、クラレ)が合計266・8点で今季初優勝。ドイツで行われた男子個人第11戦を兼ねたジャンプ週間第2戦(ヒルサイズ=HS142メートル)は小林陵侑(25、土屋ホーム)が合計291・2点で制し、ジャンプ週間2連勝とした。W杯は3連勝で今季5勝目、通算24勝目。W杯個人総合でもトップに浮上した。また、高梨らジャンプ女子の4選手が北京五輪代表を確実にした。
1回目に最長不倒の95メートルを飛んでトップに立った高梨。2回目は不利な追い風が吹く中で89メートルとまとめて、逃げ切った。
「いい内容のジャンプを2本そろえられた。1本目は条件にも恵まれて距離を伸ばすことができた」と喜びを口にした。一方で、「空中から(着地で)のテレマーク(姿勢)が完全とは言えないので、そのあたりを今後、重点的にやっていきたい」と課題も挙げた。
そして1日で全日本スキー連盟が定めた選考期間内のワールドカップ(W杯)が全て終了。派遣推薦基準を満たしている高梨、勢藤優花(24、道ハイテクAC)、伊藤有希(27、土屋ホーム)の道産子3選手を含む4人が北京五輪代表入りを確実にした。
連盟は1月17日までのW杯個人総合上位4人を代表にすると定めていた。当初は8、9日に札幌市、14、15日に山形市蔵王でW杯が予定されていたが、新型コロナウイルスの新変異株の影響で中止が決定。1日までに両会場の代替開催がないことが決まり、1日の個人第9戦が選考期間内で最後のW杯となった。高梨と伊藤は3大会連続、勢藤は2大会連続の代表となる。(共同)
陵侑 強い!ジャンプ週間2連勝 W杯個人総合首位に浮上
わずか0・2点差とはいえ、完成度の高さを物語る小林の優勝だった。「難しい勝負になるんだろうなと思った。(1回目の)貯金が生きたし、2回目も緊張した中で、動き自体はそんなに悪くなかった」。北京五輪イヤーの初戦で最高の滑り出しを見せ、晴れやかに笑った。
ぎりぎりの勝負を制すと「今年一番、緊張しましたね。2022年で」といたずらっぽく笑い、余裕さえ感じさせた。ジャンプ週間総合優勝争いは2位のリンビク(ノルウェー)に13・2点差、飛距離換算で約7・5メートルの差をつけてトップを快走。伝統のタイトルも視界にとらえた。
「(前回ジャンプ週間を制した)19年は調子良く、ずっとできていた。今はもっと自分のジャンプを理解しながらできている」。25歳のジャンパーは隙のない強さを見せている。(共同)