コンサドーレ
2022/01/05 15:45

≪ミシャ新春インタビュー㊤》クラブ史上最長5年目へ夢はタイトル!

札幌で就任5年目を迎えたペトロビッチ監督。クラブ初タイトルを目標に、キャンプでは守備強度アップと攻撃の連動性を高めていく

 北海道コンサドーレ札幌のミハイロ・ペトロビッチ監督(64)が道新スポーツの新年インタビューに応じた。札幌を率いて今季で5シーズン目となる名将。ミシャ流はすっかりチームに根付いてきた。今年の目標やマンツーマンディフェンスの成熟度、今後の自身のキャリアなどについて語り尽くした内容を、きょう5日から3回に分けて掲載する。

魅力的な選手がたくさんいる

 ―クラブ史上最長の指揮5年目を迎える
 「札幌で引き続き仕事ができることを栄誉に思う。クラブも私の仕事にリスペクトを持ってくれているし、評価をしてくれている。日本で16年目が終わった。広島で6年、浦和でも6年。チームを長く率いることは、私にとっては変わったことではない。一年一年の積み重ねでチームをつくるのが私のスタイルだ」
 ―今季の展望
 「昨季、『若い選手がいいプレーを続けるのはあまり良いことではない』と半分冗談で言ったが、他クラブにとって魅力的な選手がたくさんいる。彼らが残ってくれることが非常に重要だ。移籍はサッカー界では常にある。われわれのようなクラブから規模の大きいクラブが引き抜いていくのは宿命。現有戦力の残留がかなえば、上位を狙える」
 ―目標は
 「Jリーグは力が拮抗した難しいリーグ。上位争いも残留争いも毎年ふたを開けてみないと分からない。2022年シーズンは7位以内を目標としたい。高い志を持ち、ACL(アジア・チャンピオンズ・リーグ)出場圏内、カップやリーグのタイトルを獲りたいとは常に思っている。だが、現実的なところは上位の7番目以内。もちろん夢はタイトルだ」
 ―キャンプで新たに取り組むことは
 「守備の強度をさらに上げる。よりアグレッシブにしたい。もう一つは攻撃のオフザボールの連動性。相手がつくるブロックに穴を開けなければいけない。流動性と規則性を持ちながら戦いたい。味方が生んだスペースをしっかり使っていく。それにはインテリジェンスが必要。ボールを動かしながら、相手の反応によって判断を変えなければいけない。その二つが春のキャンプのテーマになる」
 ―今年で65歳となる
 「サッカーは私にとって人生そのもので、家族の次に大切なもの。47年、選手、監督としてプロの世界で生きてきた。監督であり続けるには健康でなければいけないし、情熱も必要だ」
 ―何歳まで監督業を続けるか
 「このクラブが必要としてくれる限り、このクラブで仕事をしたい。それが半年になるか、3年になるかわからないが、このクラブを離れる時が監督としてのキャリアの最後かもしれない。この年になって思うこともある。若い指導者にポジションを譲らなければいけない思いも、育てたい思いもある」
 ―札幌の環境に充実感を感じている
 「今は何より、このクラブで仕事をすることが幸せ。もっとお金が欲しければ、とっくに違うクラブに行っている。給料が3、4倍のオファーは常に届いている。私はお金ではない。大事なのはやりがいで、幸せを感じられるから、ここにいる」

■プロフィール

ミハイロ ペトロビッチ (MIHAILO・PETROVIC) 1957年10月18日生まれ。旧ユーゴスラビアのセルビア出身でオーストリア国籍。74年から93年までセルビアのリーグなどで選手として活躍し、引退後から監督業をスタート。日本では、2006~11年に広島、12年~17年途中まで浦和で監督を務め、18年から札幌の監督に就いて今季で5年目。就任初年度はチームをクラブ史上最高の4位という成績を残し、J1優秀監督賞を初受賞。19年はルヴァン杯でクラブ初の準優勝に導いた。

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