コンサドーレ
≪平川弘のCool Eye≫ 興梠の適応力でジェイ上回る活躍を
FW興梠が札幌に加入することになった。以前から札幌が何度か浦和にオファーを出したという報道があり、気にはなっていた。正式に決まった話ではなかったので、興梠について触れてこなかった。だが、今回は両クラブから正式に移籍が発表されたので、興梠について少しコメントしてみたい。
9年連続2桁得点を記録している興梠。しかし、年齢はもう35歳になった。ストライカーに必要な、ゴール前での一瞬のキレは大丈夫だろうか。確かにスピードやパワーはもうなくなっている。35歳になれば、どのストライカーでもそれは免れない。
いまだゴールを量産する36歳のC・ロナウド(マンチェスターU)はちょっと例外かもしれないが、彼も往年のスピードはもうない。だが、周囲との連係や、クロスに対してのポジショニング、入り方は、成熟の域にある。若い頃にあった無駄な動きは、すべてそぎ落とされている。
同じく興梠のサッカー脳も、おそらくそうなっていると思う。元々、周囲とのコンビネーション、動き出しの速さでゴールを奪うプレースタイルなので、年を重ねても得点を取れていた。
札幌のFW小柏、MFチャナティップ、金子、駒井らの特長をインプットするのに少々時間は必要だろう。しかし、昨季加入したFWトゥチッチほど時間はかからないはず。フィジカルの問題がなければ、昨年のFWジェイより間違いなく働ける。
興梠の一番のすごさは、プレー面でも環境面でも、周囲に適応する能力の高さだ。鹿島でも浦和でも、それは証明されている。(本紙評論家)