石川直 守護神に返り咲く トミージョン手術から復活だ
守護神返り咲きへ、猛アピールだ! 完全復活を期す日本ハム・石川直也投手(25)が5日、千葉・鎌ケ谷の2軍施設で自主トレを行った。20年8月にトミー・ジョン手術を受けた右肘の状態は良好。今月11日にも今年初のブルペン投球を行い、2月の春季キャンプで予定されているチーム初実戦登板に意欲を見せた。
今季でプロ8年目
新庄ビッグボス新体制でチームが大きく生まれ変わろうとしている2022年シーズン。球場開きとなった鎌ケ谷スタジアムで、復活に懸ける男が外野ポール間を黙々とランニングしていた。今季プロ8年目を迎える石川直だ。
「1年間、1軍で抑えをやるつもりで練習をしています。2年間、投げていないので、焦らず徐々に取り返すつもりでいきます」と静かに闘志を燃やした。
一昨年8月に右肘のトミー・ジョン手術を受け、昨年10月のフェニックス・リーグで実戦復帰。故障前は守護神を務めており、その座に返り咲くことを誓う。昨季チーム最多の28セーブを挙げた杉浦が抑えの筆頭候補に挙がるが、新庄監督はポジション争いについて「みんな横一線」と強調している。
それだけに、指揮官に全快をアピールしたいところだ。リハビリ明けで焦りは禁物だが、見据えるのは2月上旬に予定されているチーム初実戦での登板。「早めに投げたい。最初の紅白戦から投げるくらいの気持ちで、そういう準備をしていきます」と、投げたくてうずうずしている。
万全の状態で春季キャンプインを迎えるため、青写真を描いている。ここまでキャッチボールで調整を続け、「1」並びの今月11日に今オフ初のブルペン入り。同17日に捕手を座らせて、本格的な投球練習をスタートする予定だ。
長く険しいリハビリを乗り越え、パワーアップして戻ってくる。「悪い時に振っている感覚が強い。(右)腕を振らないイメージに変えた」と、投球動作の意識をチェンジ。自己最多19セーブを挙げた18年のフォームに近づけた。さらに、下半身の可動域を広げるトレーニングにも取り組み、しなやかで強い体づくりを目指してきた。
決して口数は多くない石川直だが、自己分析は「めちゃくちゃ負けず嫌い」。こだわり続けてきた守護神の座を譲るつもりはない。
(中田愛沙美)
■これまでの経緯
石川直は2020年2月の春季キャンプ終盤から右肘の違和感を覚え、開幕から2軍で調整を続けてきた。復帰登板となった7月30日の2軍西武戦で右肘を痛め、緊急降板。同8月20日にトミー・ジョン手術(側副靱帯再建術)を受けた。
1年以上に及ぶリハビリを経て、昨年10月31日のみやざきフェニックス・リーグ巨人戦で実戦復帰を果たした。直球の最速は148キロを計測。完全復活へ大きく歩みを進めることができた。今季は19年以来3シーズンぶりの1軍登板を目指す。