≪ミシャ新春インタビュー㊥≫魅了するプレー信条
1対1のディフェンス成熟
―19年からマンツーマンディフェンスを取り入れた。戦術の浸透度は
「非常に成熟した。選手にとっては簡単ではないことだ。DFにも攻撃を求めるし、相手とマンツーマンで戦うのは体力的にも負荷が高い。集中力も必要。相手との1対1に勝るという点で個の能力も向上したと思う」
―手を加えたことは
「気を付けるべき点を理解させ、経験を積ませることでチームを成長させた。昨季の失点で完璧に崩されたシーンは少ない。クロスやセットプレーでの失点も人数は足りていた。守備は機能している。体力的にキツい時間帯をしのげる機会も増えてきている」
トレンド見極め常にアップデート
―世界的にもマンツーマンを取り入れるチームは増えている。トレンドをけん引していく意識は
「いつも言うが、サッカーは医学と同じ。コロナもそうだが、新たな感染症や病気が出てくる中で医学は進歩する。サッカーも新しいものが出てくるので、学び続けなければいけない。トレンドの見極めは大切で、自分自身のアイデアも必要。先取りしているチームが優位に立てるのは間違いないし、私も常にアップデートしている」
―昨季は決めきれないシーンが目立った
「サッカーは見る人を楽しませるものでなくてはいけない。私のチームにはそういうプレーをしてほしい。見るものを魅了しながら結果を求める。見る人たちが楽しめないサッカーをしてでも勝つというのは、私のスタイルではない。それをやってしまえば、オーソドックスでつまらないものになる」
―得点力を上げるには
「ゴールを決めるのは最も難しい作業。ここ2年で(鈴木)武蔵、Aロペスと2人の素晴らしいゴールゲッターを失った。チームにとっては20~30点の打撃に等しい。得点には才能と経験が必要。小柏や金子は成長を続けてくれている。経験は彼らの血肉となる。今季、必ず多くの点を取れる。チャナはけがが続いていたが、シーズン終盤は非常に力になってくれた。彼も点を取ることをもっと意識してトレーニングしてほしい」