日本ハム 打てず…守れず…走れず零敗
■日本ハム0-8楽天(8日、札幌ドーム)
一球を大事に、きょうこそ勝ち越しだ。日本ハムは8日、札幌ドームで楽天に0―8で大敗した。先発の上沢直之投手(27)は本調子ではないながらも粘りの投球を見せて6回8安打3失点。しかし、打線はエースを援護できず、散発4安打と沈黙した。終盤には集中力を欠いたようなプレーも目立ち、七、九回に追加点を奪われた。8月14日以来、18試合ぶりの零封負けは喫したが、勝負の3戦目で2カードぶりの勝ち越しを狙う。
わずかに見えた反撃の糸口をつかめなかった。3点を追う五回だ。先頭の王柏融が四球で出塁した。続く佐藤も安打を放ち、無死一、二塁の絶好機をつくりあげた。
楽天の先発・滝中の投球に小笠原ヘッド兼打撃コーチが「いろいろ緩急をつけられたりとか、要所要所でいいところに決まって捉える事ができなかった」と分析したように、左右高低のみならず奥行きも使われ、四回まで出塁できたのは内野安打1本のみ。このチャンスを逃すわけにはいかなかった。
五回に1点でも返せば、終盤に勝機を見いだせると考えた栗山監督は、打席のR・ロドリゲスに犠打のサインを送った。「あそこでランナーを送れて二、三塁になれば、内野手が下がる。内野ゴロでも1点、という形をつくりたかった」。しかし、結果は投手への小飛球となり、走者を進めることができなかった。一、二塁のまま後続も倒れて無得点。反撃ムードは一気にしぼんだ。
追加点を許した終盤には集中力を欠いたようなプレーも散見した。七回1死、王が放った三飛はフェアゾーンへの飛球だったが、王は走ることを怠っていた。九回の守りでも、遊撃で途中出場した谷内が、1死二塁からの遊ゴロで一塁に送球。二走が塁間で判断に迷っていたが、簡単に三進を許してしまった。ここまで堅実な守備で貢献してきた谷内らしからぬプレーだった。
目の前のプレーに全力を尽くさなければ、勝利することはできない。指揮官も「(王のプレーは)試合が終わってからの会議でも話題になったけど、本当に二度とそういうことがチームとしてないように」と語気を強めた。
伊藤、上沢と先発の両軸を立てて連勝をもくろんだが、この日はまさかの大敗に終わった。「まずは最低限やらなきゃいけないことが、まだできていない部分もあるので、それは厳しく言いながらしっかりやっていきます」。逆転優勝はもちろんのこと、CS(クライマックス・シリーズ)進出を目指す上でも、3位・楽天との試合は落とせない。一球入魂で白星をもぎ取る。(十島功)
◆上沢 制球難も意地の6回3失点
本調子ではないものの、エースは意地を見せた。先発の上沢が、6回107球を投げて8安打3失点と試合をつくった。
序盤からコントロールに苦しみ、球数が増えていった。二回に鈴木大の右越えソロ本塁打などで2点を先制され、三回も1点を失った。「とにかく早いイニングで先制点と追加点を取られてしまって、チームの流れを悪くしてしまいました」と唇をかんだ。
四回以降は何とか無失点で踏ん張り、クオリティー・スタート(6イニング以上を自責3以下)を達成。それでも「早い回で降板する形になってしまったことも悔しい気持ちです」と反省の言葉を並べた。
今季6敗目を喫したが、この日に見せた粘りは次回登板につながるはずだ。
◆龍世 5試合連続安打で定位置奪取アピール
「6番・二塁」で先発し、2打数1安打2四球と地元・北海道で奮闘した。勝利にはつながらなかったが、五回無死一塁の第2打席で左前打を放ち、5試合連続安打をマーク。先発に限れば7試合連続安打と好調をキープしている。8月中旬にトレードで加入し、すでにチームに欠かせない戦力になりつつある。新天地での定位置奪取が現実味を帯びてきた。(札幌ドーム)