東海大札幌高 兄弟校対決制し8年ぶり16強
■全日本バレーボール高校選手権 第2日(6日、東京体育館)
男子2回戦から登場した東海大札幌高は2―1で東海大相模との兄弟校対決を制した。最高到達335センチの二川颯斗(1年)と、同330センチの山田祐輝(2年)のダブルエースが揃って2桁得点するなど、期待通りの活躍で8年ぶりにチームを16強に導いた。3回戦では今大会最長身210センチのエース・牧大晃(3年)擁する高松工芸(香川)と対戦する。
二川、山田が2桁得点でけん引
歴史と実績で上回る兄貴分の東海大札幌高が、熱戦を制した。第3セットの勝負どころで、山田がジャンプサーブでマッチポイントを奪い、試合を決定づけた。「とりあえず勝ててうれしい」。現チームとして、初の全国1勝に山田は声を弾ませた。
松田修一監督(35)が「勝負はこの2人次第」と絶大な信頼を置く若きダブルアタッカーが競うように得点を重ねた。まず1年生の二川だ。トスが上がってから相手の反応を見て打ち分ける技術を武器に18得点。それでも「決めきれなかったり、誰かに頼ることがあった。レフトを任されている以上は、決めきらなきゃいけない」と、満足はしていない。
二川の兄・翔太さん(東海大札幌1年)は、昨年全国出場へあと1勝で悔し涙をのんだ。大会前に「楽しんでこい」と背中を押されたが、「きょうは緊張が入っていて、まだあんまり笑顔がなかった」。次こそ笑顔で勝利の報告をする。
先輩・山田だって負けていない。昨年11月の道大会後、1年前に腰を痛めて封印していたジャンプサーブを解禁。「1カ月で仕上げてきた」と、3本のサービスエースに加え、バックアタックも1本。チーム最多の19得点と存在感を示した。
8強入りへは文字通り大きな敵が立ちはだかる。山田が「誰かがダメだったら、誰かが頑張ればいい。支え合って、高松工芸に勝ちたい」と言えば、二川も「少しでも(足りない部分を)修正して勝ちたい」。2本の矢で、強豪を打ち砕く。(西川薫)