新庄監督キャンプ初日2軍直行明言「まずは国頭」
新人合同自主トレ視察
ビッグボスは2軍スタート! 日本ハムの新庄剛志監督(49)が9日、春季キャンプ初日の2月1日は、沖縄・国頭で練習を行う2軍を視察すると明かした。この日は2軍施設のある千葉・鎌ケ谷で始まった新人合同自主トレを視察。「まずは国頭の方から見に行く」と予告した。また、春季キャンプの詳細スケジュールも発表された。
ビッグボスを迎えるかのように、鎌ケ谷の空は青く澄み渡っていた。真っ赤なセーターの上に黒いコートを羽織って登場した新庄監督は「暇があったら野球のことしか考えてない。これからの主役は選手」と、年が変わって戦闘モードに入っている。13人のルーキーの動きに目を光らせながら、首脳陣や選手らと新年のあいさつを交わした。
あくまで全員横一線「1軍、2軍別にない」
驚きの発言があったのは、春季キャンプの1、2軍メンバー振り分けが行われたスタッフ会議後だった。「まずは国頭の方から見に行こうと思います」と、監督が異例の2軍スタートであることを明かした。
狙いは至ってシンプル。「1軍、2軍とか別にないんです。スタートラインは一緒。そこで一日、みんなとコミュニケーションを取りながら、君たちは2軍じゃないんだよ」と伝えることが目的だ。選手が2軍スタートとなることによるモチベーション低下を懸念する。「A、Bで分けたらとりあえずはB。こっちがAでもいいし、こっちがBでもいい。そういうことを伝えてあげないと。『えー、スタートが2軍なんだ』という気持ちがもう、僕にとっては最悪」と説明した。
自身の苦い経験も2軍視察から始める要因だ。現役時代、3年目だった新庄監督は1軍キャンプスタートだと思っていた。「2軍だったときの悔しさはもう忘れられなくて。必死に練習したっていう記憶はいまだにありますよ。やっぱショックなんですよ」と当時を回顧した。
1軍キャンプ地の名護と2軍の国頭は、車で40分ほどの距離で、入れ替えは頻繁に起こる可能性はある。「一日一日、みんなの動きを見て、この子いいと思ったら、(1、2軍宿舎の)部屋を変わりなさい。ちんたらちんたらしていたら、おまえら変われっていう厳しさも出していきながら」。実戦も12試合が予定されているが、試合によってメンバーを総取っ替えすることもありそうだ。
このプランを実践すれば2軍選手たちへの緊張感はもちろん、1軍選手には危機感も生まれるはずだ。「どこを目指そうとか考えない。壁にぶち当たってもいいから、がんがん攻めていこうという年に、みんなと一緒にやっていきたい」。ビッグボスの2022年が始まった。(十島功)