札幌フロント新体勢へ 三上氏代表取締役GM就任
株式会社コンサドーレが新たな経営体制に移行することが11日、分かった。野々村芳和代表取締役社長CEO(49)が、代表取締役会長に就任。新たに三上大勝取締役GM(50)が、代表取締役GMに就く。きょうにも発表される。15日から始まるキャンプを目前に、札幌のフロントが新体制を整える。
野々村社長が退任
コンサドーレが、大きな転換点を迎えることが分かった。野々村氏が社長を退き、会長に就任。三上氏が代表取締役GMとなることが、臨時取締役会で承認された。当面「社長」は置かず、三上GMが株式会社コンサドーレの事実上トップとして、チーム編成と経営両方の陣頭指揮を執る。
長く強化に携わってきた三上氏は、2013年から現職のGMに就任。赤黒の歴史を深く知る一人として、野々村氏と二人三脚でクラブの発展に尽力してきた。今後は同氏が実質的な“社長”兼GMとして、クラブを引っ張っていくことになる。
野々村氏は13年3月から9年間、社長を務めた。MF小野伸二や稲本潤一といった日本を代表するプレーヤーを獲得し、ファン層を拡大。東南アジアのマーケットにもいち早く可能性を見出し、ベトナムの英雄レコンビンや、タイ代表MFチャナティップを札幌に迎え入れた。18年にはペトロビッチ監督を招へい。攻撃的なサッカーを北の大地に根付かせた。
さらに経営基盤を根本から見直し、クラブを上昇気流に乗せた。常に先を見据えた取り組みは実を結び、就任当時3億円だった強化費は、21年には18億5000万円と6倍超に成長。選手、サポーター、パートナー企業と誠実に向き合いながらクラブ規模を拡大。札幌をJ1に定着させた功績は大きい。
野々村氏の経営手腕はファン・サポーターからの支持が厚いが、個人の力量に左右されることなく今後50年、100年と持続可能なクラブを目指すために、バトンを渡すことを決断したもよう。三上氏をトップに据え、札幌はさらなる高みを目指していく。
■プロフィール
三上 大勝 (みかみ・ひろかつ) 1971年9月17日生まれ、室蘭市出身。選手としては室蘭大谷高(現道大谷室蘭高)、札大を経て、94年からNEC山形で2年間プレー。現役引退後はモンテディオ山形の設立に携わり、99年7月から北海道フットボールクラブ事業部へ。00年から強化部スカウト担当、強化担当、強化部長を経て、13年に現職のGMに就任。14年からは一般社団法人コンサドーレ北海道スポーツクラブ代表理事も務める。