ＭＦチャナティップが川崎へ移籍することになった。せっかくＭＦ金子やＦＷ小柏らが残留し、これからという時に正月早々ショッキングなニュースである。
　Ｊリーグでは過去最高額となる高額な移籍金らしい。正式には契約解除のための違約金だが、川崎はかなり奮発したようだ。その背景には、ＦＷ旗手らが海外クラブに引き抜かれたこと。そして、ＡＣＬのためにも補強が必須だった。でも、どうしてチャナティップだったのか？
　ＭＦ三笘がベルギーへ去って、ドリブルでアクセントをつけられるアタッカーがいなくなった。チャナティップは細かいパスをつなぐ川崎の４―３―３システムにも順応可能で、前線でも中盤でもプレーできる。
　あと考えられるのは、コロナ禍で外国人助っ人を海外から獲得することが難しいという事情がある。入国規制が厳しく新規入国が認められず、日本代表とウズベキスタンとの親善試合も中止となった。チャナティップであればこれらの事情をクリアでき、リスクも少ないとの判断だろう。
　チャナティップはいい選手なので狙われて当たり前。海外ならまだしも、国内のチームには行ってほしくなかった。それも川崎に。この世界は移籍マネーがものを言う。札幌に５億？　とも言われる置き土産を残せるというのも美談には聞こえない。（本紙評論家）