南北海道男子回転 東海大札幌高・村瀬が逆転V
■全国高校スキー(14日、小樽・朝里川温泉スキー場)
男女回転が行われた。南北海道の男子は村瀬裕矢(東海大札幌高3年)が1本目の2位から逆転初優勝。将来は弁護士を目指すために卒業後は競技を引退する。最初で最後のインターハイで頂点を目指す。女子は山田悠可(東海大札幌高2年)が初制覇。北北海道男子は内藤裕平(旭明成2年)が大回転との2冠を達成。女子は佐藤まりん(旭明成3年)が初優勝した。
総体で引退 目指すは弁護士
並み居る強豪を下して、村瀬が初の道内高校生最速の称号を手に入れた。「信じられないの一言。うれしい気持ちもあるけど、いまはあまり実感がない」と笑みを浮かべた。
“イチ流本”からヒントを得た。昨年12月、以前から尊敬するイチロー氏に関するビジネス本「イチロー式突破力」を購入。「競技に入る前、コーチに『おまえダメだったな』と言われるところまでイメージすると、まだ失敗していない自分がいる。まだいけるぞ」と前向きになれるという。トレーニングやレース前にイメージし、安定感が増してきた。
学業でも特別進学コースを除けば学年トップグループに入る。卒業後は弁護士を目指し、札学院大の法学部へ進む。網野正信顧問(52)は競技を継続しての大学進学を勧めたが、「夏からたくさん練習してきて、悔いはない」と、決意は固い。
2月末までは大会も残されているが、高校総体はラスト滑走。「北海道1位になったので、その覚悟をしっかり持って、全国の舞台でも表彰台の真ん中を目指します」。夢へ向かって有終の美を飾る。(西川薫)
北北海道女子回転は旭明成・佐藤が優勝
アルペン一家の長女・佐藤が、1本目1位から逃げ切って初優勝した。全体でもトップタイムで、「2本揃えられて良かった」と安堵した。
レーシングチーム、札幌SSプロダクツでコーチを務める父・直也さんの影響で3歳で競技を始めた。2人の兄は北照でインターハイに出場し、現在も大学で活躍中だ。弟は男子回転で2位に入ったレオン(北照1年)。最初で最後の姉弟出場に「一緒に出られてうれしい」とはにかんだ。
中学3年時に右膝前十字靱帯(じんたい)を断裂。高校でも昨年に左膝前十字靱帯を断裂するなど苦しい高校生活を送った。卒業すると競技は引退。最後の大舞台へ、「ゴールしたときに楽しめたと思えれば」。全てを懸けてスタートに立つ。
■10秒インタビュー
◆北北海道男子で2冠を達成した内藤裕平 「北で優勝しても道内で考えるとまだまだ。その差を縮められるように頑張りたい」
◆南北海道女子回転で初優勝した山田悠可 「総合で4位はまだ実力不足。(インターハイでは)去年は回転で19位だったので、入賞を目指したい」