沖縄県伊江島で自主トレを行っている日本ハムの杉谷拳士内野手（３０）が１５日、オンライン取材に応じた。自ら掲げる野生化計画はシーズン４に突入し、今年はムキムキの肉体を手に入れて“ゴリラ化”に成功。１４年目のレギュラー獲りに燃えている。年末年始は新庄剛志監督（４９）の意向でバラエティー番組の出演を自粛したが、本業で圧倒的な結果を残し、大好きな特番「リアル野球ＢＡＮ」の“レギュラー”に返り咲く。

ムキムキ体重４キロ増

　南の島で作り上げた強じんな肉体が、本気度を表している。杉谷は本能の赴くまま、トレーニングに明け暮れ、筋肉のよろいをまとっていた。失敗は恐れていない。「３０歳を過ぎて、最初で最後のチャンスが巡ってきていると思っている。レギュラー一本を目指す。今年は意気込みが違う」と覚悟をにじませた。
　昨年１２月から島にこもり、専門トレーナーの指導を受けながら、ハードな練習メニューをこなしてきた。シーズン終了時から体重は３、４キロ増加。服を着ていても分かるほど、上半身の筋肉が発達していた。「剛（松本）から『ゴリラみたいになりましたね』と言われた」と明かし「やっぱりお風呂で自分の裸を見る時間は長くなりました」と不敵に笑った。
　現在は松本剛、郡、野村、細川と共同生活しながら汗を流している。食事は関係者から届いた差し入れを活用し、自炊が中心。杉谷はシェフとしてキッチンにも立ち、後輩たちに料理を振る舞う。食や栄養の面でもサポートしている。
　寂しい出来事もあった。１月２日にテレビ朝日系「とんねるずのスポーツ王は俺だ！！」が放送された。このオフは、ビッグボスのバラエティー禁止令に従い、例年出演してきた人気コーナー「リアル野球ＢＡＮ」に参加しなかった。放送後、帝京高野球部の先輩に当たるとんねるずの石橋貴明や名物出演者のゴルゴ松本から連絡があったという。「出てほしい、ということを言われてすごくうれしかった」と感謝した。
　明るいキャラクターを生かし、球界屈指のムードメーカーとして名をとどろかせてきた。当然、このままでは、終われない。「今年１年、しっかり成績残して、みなさんが納得してもらえるような形で出ることが一番だと思います。どうか見ておいてください」と改めて決意表明した。
　監督やファンをうならせ、今季終了後は堂々と「リアル野球ＢＡＮ」に登場するつもり。具体的な数字は挙げなかったが「１年間、けがなく、走り抜ける。打率、出塁率は求めていきたい」と語気を強めた。多彩な才能を持つユーティリティープレーヤーは２０２２年、荒々しく主役の座を奪いにいく。