大相撲
2022/01/17 15:05

矢後3場所ぶり勝ち越し王手 十両トップタイ!

海龍(左)を激しく突き放す矢後(撮影・富田茂樹)

 大相撲初場所8日目は16日、東京・両国国技館で行われ、西十両14枚目の矢後(27、芽室出身=尾車)が東幕下4枚目の海龍(31、出羽海)を押し倒しで下し、7勝1敗とした。再入幕の西前頭14枚目・一山本(28、岩内出身=放駒)は東18枚目の王鵬(21、大嶽)に敗れ、4勝4敗となった。

両膝回復で下半身安定

 危なげない相撲で、矢後が3場所ぶりの勝ち越しに王手をかけた。突っ張り合いとなった立ち合いにも「慌てないように意識した」と動じず、前に出て海龍の勢いを遮断。ペースをつかむと、最後は力強く押し倒した。「前に出る相撲が取れているので、いいと思います」。取り組み後は柔らかい表情を見せ、充実感をにじませた。
 7勝1敗と順調に白星を積み重ねている。好調の要因は下半身の安定だ。5勝10敗と大きく負け越した先場所と比べ、不安を抱えていた両膝の状態が格段に改善された。「膝の調子が良くなって下半身を使えている。先場所とは全然違う。感触がいいのを実感しています」と手応えをつかんでいる。
 中日を終え、琴勝峰と並んで十両トップタイにつける。勝ち越しはもちろん、初優勝も十分に狙える位置だ。それでも、欲は出さない。「先のことは考えずに1日1番。集中してやっていきます」と気を引き締めた。今場所の番付は十両で最も下の西14枚目。一つでも多く勝ち、幕内復帰への足場を固める。

一山本は4敗目「何もできなかった」

 一山本が新入幕の王鵬に屈した。元横綱・大鵬を祖父に持つ21歳のホープに、立ち合いから一方的に押し込まれ、突き出しで完敗。「いいところが1個もなかった。相手の出足が良くて、何もできませんでした。(王鵬は)新入幕で元気がいい。(再入幕の)僕も元気良くないとダメなんですけどね」と肩を落とした。これで4勝4敗。まずは勝ち越しを目指し、勝負の後半戦に挑む。

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