大相撲
矢後 くせ者炎鵬下し3場所ぶり勝ち越し
大相撲初場所9日目は17日、東京・両国国技館で行われ、西十両14枚目の矢後(27、芽室出身=尾車)が3場所ぶりの勝ち越しを決めた。西10枚目の炎鵬(27、宮城野)を押し倒しで下し、8勝1敗とした。西前頭14枚目の一山本(28、岩内出身=放駒)は西8枚目の翔猿(29、追手風)に押し出しで敗れ、4勝5敗となった。
「自分の相撲できた」
“くせ者”に何もさせなかった。矢後が炎鵬を下し、8勝目を飾った。潜り込もうとする小兵をことごとく突き放し、最後は力強く押し倒した。得意は左四つだが、突っ張りも持ち味の道産子力士。「自分の相撲で勝ち越せた」と息をついた。
やっと勝った。すばしっこく、多彩な取り口の炎鵬に手を焼いてきた。この日まで4戦全敗。「(苦手意識は)ありましたけど、焦らず、相手の動きを見ることができた」と胸を張った。
元アマ横綱。幕内での勝ち越し経験もある。ポテンシャルの高さは誰もが認める。長く両膝と腰の痛みに悩まされているが、入念なケアで今場所は若干、状態が良い。
中大時代の1年後輩でもある一山本の活躍も刺激だ。「自分の方が先に(幕内に)上がった。追いつけ追い越せで頑張りたい」。再入幕に向け、着実に白星を積み重ねていく。