沈黙ハム打線 則本昂攻略できず完封負け
■日本ハム0-4楽天(9日、札幌ドーム)
則本昂崩せず…。日本ハムは9日、楽天と対戦(札幌ドーム)したが、相手先発の則本昂大投手(30)の前に得点が奪えず、0―4で屈した。カード初戦をルーキー伊藤大海投手(24)の好投で先勝したが、打線に元気がない。同2戦目が4安打、この日は則本昂に3安打に抑えられ、連続0封敗戦でカード負け越しとなった。先発したドリュー・バーヘイゲン投手(30)は流れをつかめず、6回4失点で降板。攻守共に良いところなく、敗れた。
首位を争うチームとの差が如実に表れた。打線は水物―、とはよく言ったもので、先週まで活発だった打線が完全に沈黙した。難敵・則本昂相手に9回3安打の完封負け。2試合連続無得点に終わり、連続無得点イニングは「21」まで伸びた。
150キロ前後の強い直球を捉えられないまま、イニングだけが進んでいった。チーム初安打が生まれた六回には2死ながら一、二塁とし、この日唯一となる好機をつくったが、西川が中飛に倒れた。五回に円陣を組み指示を出した小笠原ヘッド兼打撃コーチも「しっかりと狙ったものを捉えられなかった」と相手右腕を攻略することができなかった。
対する楽天は、しっかりとバーヘイゲンの“弱点”を突いてきた。四死球をきっかけに、隙を見逃さず得点を重ねた。昨季からクイックモーションやフィールディングに難があった助っ人右腕に対し、セーフティーバントを仕掛けるなど、チーム単位で揺さぶってきた。バーヘイゲンもいら立ちが表情に出るなど、効果はてきめんだった。
この2試合は攻撃面で差がついた。前日8日の試合でも、楽天の攻めは徹底していた。上沢は8月22日の対戦で7回1失点と7勝目を挙げたが、この時に「反応が良かった」と効果的だったのがカットボールだった。上沢が今季軸の一つにもしていた、左打者へのカットボールが狙われた。
打者1巡目、楽天の左打者は追い込まれるまでのカットボールは必ずスイングした。そして打ち損じることなく捉え、得点につなげた。2巡目に入ると、日本ハムバッテリーに迷いが生じたのか、サインが合わない場面も見受けられた。
対照的に日本ハム打線は連日、淡泊な攻撃に終わっている。工夫が見られず、楽天バッテリーにストレスをかけることもできなかった。栗山監督は「そういうところ含めて、しっかりやっていきます」と振り返った。
3位・楽天との3連戦。伊藤で初戦を奪ったが、結果は1勝2敗と負け越した。ゲーム差も今カード前よりも広がり「10」となった。残り41試合と多くの時間はない。チームが束となって戦わなければ、奇跡は見えてこない。(十島功)
■清水ノーノー阻止 六回2死からチーム初安打
意地の一打だ。六回2死で迎えた清水の第2打席。無安打に封じられていた相手先発・則本昂の151キロ直球を中前へはじき返し、ノーヒットノーランを阻止した。得点にはつながらなかったが、投手陣をリードする女房役が気を吐いた。(札幌ドーム)