≪新人連載②≫ドラ2有薗 球界代表するアーチストへ
のんびり屋でも力持ち「ゾウみたい」
近未来の4番候補だ。高校通算70本塁打を放った右の長距離砲。高い打撃技術を持ち、逆方向へも力強い打球を飛ばす。欲しいタイトルを問われた際にはきっぱりと「ホームラン王です」と言い切った。
打つだけではない。三塁を主とした内野の守備にも定評があり、大渕GM補佐兼スカウト部長、高橋担当スカウトは「スローイングがいい」と口を揃える。総合力を高く評価され、ドラフト2位で指名を受けた。全体の14番目、高校生内野手では最も早く名前が呼ばれた逸材だ。
性格は“のんびり屋”だが、優しくて力持ち。けがにも強く、「ゾウみたい」と言われることもあったという。入寮には妹・愛梨さんからもらったゾウのぬいぐるみを持参。「隣に置いて一緒に寝ます。実家にいるときから一緒に寝ていたので落ち着く感じです」と柔らかい笑顔を見せた。
球団からは23年3月に開業する新球場移転後の主軸として期待されるが、札幌ドームラストイヤーでの活躍も思い描く。「球場が変わってしまうので、(その前に)1本は打ちたいなという気持ちはあります」。プロ1年目の今シーズン中に、北海道のファンの前で初アーチをかっ飛ばすつもりだ。
将来の目標は球界を代表するスラッガー。「シーズン30、40本は打てる選手になりたい。ホームランでは誰にも負けたくない」と鼻息を荒くした。本塁打にこだわり、一振りでチームを救う“アーチスト”を目指していく。
■プロフィール
有薗 直輝 (ありぞの・なおき) 2003年5月21日生まれ、千葉県出身。右投げ右打ち。内野手。恵まれた体格を生かした長打力が魅力の世代屈指のスラッガー。千葉学芸高では1年から主軸を担い、甲子園出場経験こそないが、高校通算70本塁打を誇る。身体能力が高く、肩の強さもウリ。軽快な内野守備には定評がある。右の長距離砲として期待がかかる。185センチ、97キロ。