≪新人連載⑤≫ 畔柳享丞 リリーフに適性 速球派右腕
安定感抜群の太い下半身から、弾丸のような速球を投げ込む。昨春には名門・中京大中京高のエースとしてセンバツ甲子園に出場し、圧巻の2完封。チームを4強に導いた大器だ。上位候補だったドラフトでは5位指名となったが「順位はありますけど、横一線のスタートだと思っている。選ばれたどの選手よりも自分がやってやる、という気持ちが強い」と意気込む。
最速152キロを誇り、先発だけでなくリリーフの適性も感じさせる。「投げることが好きなので、中継ぎ、抑えも向いていると思う。どの場面を託されても持ち味の真っすぐを存分に生かして、一球入魂でやっていきたい」。役割にこだわりはない。あるのはチームのために腕を振る強い覚悟だけだ。
「プロの世界では真っすぐだけでは打たれてしまう」と変化球の精度向上を課題に挙げる。高校時代から投げていたスライダー、カーブ、チェンジアップに加え、新たにフォークにも挑戦中。投球の幅を広げ、早期の1軍デビューを目指す。
昨年10月の指名あいさつでは「伊藤大海さんにスライダーについて聞きに行きたい」と、昨季10勝の先輩右腕に弟子入りを志願した。新人合同自主トレが始まると、さっそく同じ鎌ケ谷で練習していた伊藤に話しかけて“入門”。スライダーの投げ方から、共通の趣味である釣りの話まで、多くの教えを吸収した。
将来の目標を聞かれた際には「日本を代表する投手になることです」と堂々、言い切った。18歳の豪腕は有言実行で、頂点まで突き進む。
■プロフィール
畔柳 亨丞 (くろやなぎ・きょうすけ) 2003年5月3日生まれ、愛知県出身。右投げ右打ち。150キロ超の速球を投げ込み、中京大中京高のエースとして昨春の甲子園で好投し、存在感を高めた。球威、キレともに世代トップクラスで伸びしろは十分。また、けん制やクイックの能力も優れており、今後の成長が楽しみな本格派だ。180センチ、85キロ。