《人ほっとコーナー》小林勇登(31)東京ガス主将として都市対抗野球初V貢献
選手主体のチームに改革
主将として創部95年目の古豪を引っ張り、初優勝を成し遂げた。試合後、これまでの苦労が一気に頭を駆け抜け、涙があふれ出た。
昨年9月下旬の予選で左肩の脱臼と左手首を骨折し、本大会では準決勝のみの出場。「まさか優勝できるとは。一戦一戦、勢いに乗っていった」と激戦を振り返った。
「入社してから6年連続で8強や4強を経験。出るのが当たり前だった」。2019年の都市対抗後に主将に就任。「キャプテンタイプとは思っていないけど、引き受けたからには強くしたい」と、チームの精神的支柱を勤めることになった。
ところが、そこから2年連続で予選敗退。「すごい悔しかった」。そんな中、20年の本大会にNTT東日本の補強選手として出場。「9番・三塁」で出場するなど、準優勝に貢献した。大会前に練習に合流した際、選手自身が主体となって取り組くむ姿勢に強さの一端を発見。大会後はチームに持ち帰り、意識改革に取り組んだ。
社会人10年目を迎える今季。ここからが本当の勝負と捕らえている。「追いかけられる立場は初めて。その中でどういう形に戦っていけるか。常に強いチームになるチャンス。けがを早く直して、また挑戦したい」。2連覇を目指すチームのど真ん中で、道産子主将が声をからしてチームをけん引する。(西川薫)
■プロフィール
小林 勇登 (こばやし・ゆうと)1990年10月25日、札幌市生まれ。小学1年時に羊ケ丘カージナルスで野球を始める。札東月寒中では札幌北シニアに所属し、日本選手権4強入り。北海高3年夏、現在巨人で活躍する鍵谷陽平投手(31)と共に「3番・遊撃」で甲子園に出場。東都大学リーグ2部の駒大に進むと1年から出場。2年秋には首位打者を獲得し、1部昇格に貢献。4年では主将も務め、秋季リーグ戦首位打者を獲得した。170センチ、70キロ。家族は妻と長女。