≪新人連載⑧≫北山亘基 大海の背中追う頭脳は右腕
頭脳派の本格右腕―。京産大からドラフト8位で入団した北山は、伊藤大海の背中を追っていく。「細かい体の使い方をかなり研究されていると感じる。僕自身もそういうのを考えて野球するタイプ。本当にすごいピッチャーだと思うので、参考にしたい」とべたぼれだ。
最速は153キロ。大渕スカウト部長兼GM補佐は「同じ150キロでも球の質がいい」と太鼓判を押す。北山自身も「売りは真っすぐなので、真っすぐで勝負する」と強い気持ちで打者に向かっていく。
アピールへの備えはおろそかにしない。入寮時には新庄ビッグボスの著書「もう一度、プロ野球選手になる。」を持参した。ドラフト後、新庄監督が就任すると決まってから購入。すでに一度読破しているが「もう一回読み返したいのと、思ったときに読めるように」と指揮官の考えを完全にインプットするつもりだ。
自らの姿勢にも気を使っている。京産大3年時にはバレエダンサー・西園美彌(みや)氏が監修する「魔女トレ」を導入。足裏から姿勢を整えることで、パフォーマンス向上につなげた。「足裏の荷重は投げるにしても走るにしても、一番重要だと思っている」
私生活から意識を高く持ち、プロ入りにつなげた。細部まで突き詰めるさまは昨季の黄金右腕・伊藤とかぶる。「現時点で僕より先に指名されている選手がたくさんいるので、そういった選手にはこれから絶対に負けたくない」。スタートラインは同じ。後方から一気にまくる。
■北山亘基
(きたやま・こうき) 1999年4月10日生まれ、京都府出身。右投げ右打ち。投手。京都成章高3年時にプロ志望届を出すも指名漏れ。京都産業大に進学し、オリックス・平野佳を育てた勝村監督の下で力を付けた。直球、変化球ともにキレがあり、三振を奪えることが強み。趣味はショッピングと映画鑑賞。好きな食べ物はカニ。182センチ、80キロ。