《新人連載⑨》上川畑大悟 堅い守りの掃除ロボット
生粋の守備職人へ―。ドラフト9位と順位は低いが、NTT東日本から入団した上川畑への期待は大きい。与えられた背番号「4」は、その証しとも言える。昨季までは谷口が背負い、かつては奈良原や飯山といった堅守の選手が付けていた番号だ。
この“サプライズ”な背番号に本人も驚いた。入団会見では「期待していただいているというのが本当に伝わって。結果を出して恩返ししていけるような選手になっていきたい」と気持ちを引き締めていた。
大渕スカウト部長兼GM補佐が「自動ロボットの掃除機が、スーッと掃除をしていくようにボールを処理する」と表現するほど、守備力は新人離れしている。合同自主トレでは近い距離のサイドノックではあったが、グラブさばきは際立っていた。課題の打撃でも、準優勝に輝いた昨年の都市対抗野球で4試合で・417の高打率を記録した。
即戦力候補ということもあり、春季キャンプは1軍スタート。「開幕スタメンという目標があるので、1軍でしっかりやり通せたら。(実戦)初戦から、全力で入れるように体をしっかりつくっていきたい」と全開アピールを誓った。
1年目から結果を出さなければいけない理由がある。25歳という遅咲きの年齢もあるが、昨年12月に3歳年下の一般女性と結婚したことが大きい。「妻がしっかり安心して生活できるように頑張らないと」。家庭を守るためにも、まずは正遊撃手獲りに挑戦する。
■上川畑大悟
(かみかわばた・だいご) 1997年1月12日生まれ、岡山県出身。右投げ左打ち。内野手。岡山・倉敷商高から日大に進学。2年時には中日・京田と二遊間を組み、25シーズンぶりの東都リーグ優勝に貢献した。卒業後はNTT東日本に入社し、ショートの守備と打撃に磨きをかけた。1年目から定位置獲りを狙う。167センチ、71キロ。