ビッグボス グラブ40個再利用特製コートで沖縄上陸!!
日本ハムの新庄剛志監督(50)が30日、あす2月1日から始まる春季キャンプに備え、沖縄県入りした。那覇空港到着後は異例の“お色直し”を行い、使わなくなったグラブ40個を材料にして作成されたコートを着てド派手に登場。現役時代から用具を大切にしてきたビッグボスならではの演出には、チーム再生に懸ける熱いメッセージが込められていた。また、選手、スタッフも同日、キャンプ地に入った。
那覇空港で異例お色直し
期待を裏切らない。チェックのシャツ、デニムパンツのラフな服装で移動便に乗り込んでいた新庄監督は、那覇空港で衣装チェンジしてから報道陣、ファン約120人が待ち構える到着口にやってきた。野球のグラブをモチーフにしたロングコートが目を引く。金のサングラスをしていたが、にこやかな表情であいさつ。ワンマンステージの幕開けをほうふつとさせる登場シーンだった。
1カ月ほど前から構想を練り、ファッションデザイナーの鶴田能史氏に制作を依頼していた。個人や大学野球部などから不要となったグラブを集めて再利用。原型を生かしながら黒、赤、茶などの皮をつなぎ合わせた。「捨てるというグラブを掃除して縫ってもらって、一つのものができあがった。ファイターズも、こういう作品のようにキャンプで一つのものにつくりあげていきたい」と衣装に込めたテーマを口にした。
就任以来、「横一線」を強調してきた。実際にキャンプは、昨季までの実績やイメージにとらわれず、発掘から始めるつもりだ。「僕のイメージとしては、トライアウトのスタートという意味で楽しみです。1年間、勝ち負けにこだわらず、選手をトライアウトを見るような目で一人一人(チェックする)。来年に向けてコイツはいけるというものをつくり上げていく自信がある」。既存の選手の育成に全霊を注いでいく。
特に守備へのこだわりは強い。昨年11月の秋季キャンプでは、車の屋根に乗り、掲げたバットを目安にして、低くて強い送球を選手に促した。再び、斬新な発想を形にする。「フラフープを探していこうかな」とつぶやき「今度は、コントロールをつけさせる目的で。(その上で)どれだけ強いボールを遠くに投げられるか、テストをやってみようかな」と計画の一端を明かした。
キャンプインの2月1日は、予定通り若手主体の国頭に出向く方針だ。一人一人の長所をつなぎ合わせれば、大きな力になる―がビッグボス流。常識を覆してきた男は従来の監督の枠に収まらず、次々と新しいスタイルを構築していく。