コンサ戦士からJトップへ 野々村チェアマン誕生
株式会社コンサドーレの野々村芳和会長(49)がJリーグの次期チェアマンに就任することが31日、決まった。同日の理事会で承認された。6代目で元Jリーガーの就任は初めて。歴代最年少での選出ともなる。理事会後のオンライン会見に出席した野々村会長は、北海道コンサドーレ札幌を支え続けているサポーターへの感謝を口にした。
歴代最年少で元Jリーグリーガーは初
チェアマン就任が決まった野々村会長は「選んでいただき、光栄だが、ここからいろんなことを決めて、動かしていかなきゃいけない。責任をすごく感じている」と引き締まった表情で話した。
2013年3月から9年にわたって、札幌の社長としてクラブの成長に心血を注いできた。経営規模を拡大させ、J1定着への礎を築いた。その手腕が広く認められ、元Jリーガーとしては初の抜てきとなった。
会見では周囲への感謝の念があふれ出た。「リーグのチェアマンの仕事をするきっかけをくれたのは北海道の皆さん、コンサドーレの皆さんのおかげ。日本のサッカーがより良くなるよう頑張りたい」と決意を新たにした。
オンライン会見にはペトロビッチ監督、三上大勝代表取締役GM、MF小野伸二らが花束を持ってサプライズ登場した。フロント、現場に愛されたトップは「もっと可能性があるチーム。みんなで魅力的なクラブにしてくれると思う」。チェアマン就任によって会長職は退くが、さらなる躍進に期待を寄せた。
3月15日の理事会決議を経て、新体制が発足する。任期満了で3月に退任する村井満チェアマンは「経営のかじ取りに必要な深い洞察、考察力を持っている。野々村さんらしい大改革を歓迎する。心から応援したい」とエールを送った。コロナ禍のリーグ運営はもちろん、シーズン制移行をはじめとする難題に立ち向かう。(石栗賢)
■プロフィール 野々村 芳和 (ののむら・よしかづ)1972年5月8日、静岡県生まれ。清水東高から慶大を経て95年に市原(現千葉)入り。00年に札幌へ移籍し、J2優勝に貢献。01年には主将としてJ1残留に導いた。同年29歳で引退。MFとしてJリーグ通算154試合8得点。引退後は解説者などを務め、13年3月に札幌の社長に就任。今年1月からは同会長を務める。