深刻…守護神不在 九回Bロドリゲスでまたも逃げ切り失敗
■日本ハム4-4ソフトバンク(10日、札幌ドーム)
痛恨ドロー。日本ハムは10日、ソフトバンクと札幌ドームで対戦し、4―4で引き分けた。先発の河野竜生投手(23)が6回3失点と先行されたが、七回に打線が奮起。28イニングぶりの得点を挙げるなど、一挙4点を奪い逆転に成功した。しかし、九回に抑えのブライアン・ロドリゲス投手(30)が四死球でリズムを崩し、わずか1安打で同点に。ソフトバンクには3勝10敗5分け。6月18日以来の8試合ぶり勝利とはならなかった。
最後の砦(とりで)が揺らいでいる。3点ビハインドの七回、2死からの猛攻で4得点。一気に試合をひっくり返した。直後の八回も井口が3者凡退の投球を見せ、勝利への道筋はできつつあった。
しかし九回。マウンドに上がったB・ロドリゲスがつまずいた。先頭のリチャードに死球を与えると、助っ人右腕の心が揺らいだ。続く代打・長谷川にも四球を許し、いきなり無死一、二塁としてしまう。何とか2死二、三塁までこぎつけたが、三森に希望を砕かれた。初球をはじき返され、打球は二遊間をしぶとく抜けていった。
白星目前で追いつかれた打線に、もう反撃する力は残っていなかった。2番・佐藤からの好打順もソフトバンクの守護神・森の前に3者凡退。今季16度目の引き分けに終わった。栗山監督は「みんな、何とかしようと思ってやっているんだけど、いい形で勝ちきれないところはしっかり受け止めてやっていきます」と悔しさを押し殺した。
これが試合を締める難しさか―。後半戦に入り、九回に追いつかれたのはすでに4試合目だ。今季は杉浦、B・ロドリゲスが抑えを務めているが、昨季まで守護神の経験はないに等しい。
重責を負い、神経をすり減らしながら戦うポジション。自己最多の登板数を更新する両右腕は、シーズン終盤を迎え、心身のバランスを整える難しさに直面している。指揮官は「これだけの数、初めて投げているんでね。状態的なものはもちろんある」と不調の理由について言及した。
若鷹軍団にはホームを荒らされている。今季はソフトバンクに3勝10敗5分けと大きく負け越しているが、ホームゲームに限ると7敗2分けと一つも勝利を挙げられていない。この日は嫌な空気を払拭するのに格好の展開となったが、最後に踏ん張り切れなかった。
この試合まで2試合連続無得点に終わっていた打線に光は見えた。それだけにこの取りこぼしは痛恨だ。8月下旬から引き分けを挟んでの4連勝と上向き気配もあったが、その後は1勝4敗3分けと下降線をたどっている。いち早く、この下り坂を脱しなければいけない。
(十島功)
■先発河野「悔しい」6回3失点
苦しみながらも今季最多110球を投げ、先発の役割を果たした。四回に連続死球でピンチを招き、適時打と内野ゴロ失策の間に2失点。五回には柳田に適時二塁打を許した。結果的に6回5安打3失点で、勝ち負けは付かなかったが「ふがいない投球をしてしまい、悔しい気持ちです」と反省しきりだった。(札幌ドーム)