6度目五輪モヤモヤ幕切れ…竹内 不可解判定負け
■スノーボード パラレル大回転 女子決勝T1回戦
【張家口(中国)8日=島山知房】スノーボードアルペンのパラレル大回転(PGS)が行われ、日本女子最多6大会連続出場の竹内智香(38、広島ガス、クラーク高出)は決勝トーナメント1回戦で敗退。不可解な判定で8強進出を逃し、15位に終わった。
両者転倒後先着も”欧州の笛”に泣く
“欧州の笛”が2大会ぶりのメダル獲得を阻んだ。決勝トーナメント1回戦は、相手よりも先にゴールラインを滑り抜けた。会場にコールされた勝者は当然、竹内の名前。ガッツポーズで8強進出を喜んだが、まさかの結末が待ち受けていた。
レース中盤、竹内が転倒したとほぼ同時に同走のホフマイスター(ドイツ)も転倒。審議の結果、竹内が相手を妨害したとみなされ、途中棄権に判定が変わった。練習を共にしているスイス陣営とも抗議したが、判定は覆らなかった。
想定外の幕切れに「対戦した本人も(妨害を)感じ取っていなかった。ジャッジ8人中6人がドイツ人なので、そういう意味ではノーチャンスだなと感じる。スポーツマンシップって何なんだろう」と疑問を呈した。
前回の平昌大会後は引退の意思を固め、2年半ほど休養した。同大会の前からケガが相次いだこともあり、やり切った気持ちが強かったという。
しかし、競技から離れ、子どもたちを指導するうちに思い出したのはスノーボードの楽しさ。復帰を迷った際には長野五輪金メダリストの清水宏保さん(47)から「目標をクリアすることが全てではない。(負けることも)一つの経験だよ」と背中を押され、もう一度この舞台に戻ってきた。
6度目の五輪を100%充実させることはできなかった。それでも「99%は素晴らしく楽しい時間だった。その99%を良い思い出にしたい」と前を向く竹内。今後は、平昌大会からの4年間と同じようにゆっくり時間をかけ、次に進むべき道を決めるつもりだ。