堀川 自己新デビュー 18歳初舞台
【北京(中国)10日=島山知房】スピードスケート女子5000メートルは、五輪初出場の18歳・堀川桃香(白樺高3年)が自己ベストの7分6秒92で10位。3大会連続出場の押切美沙紀(29、富士急―駒大苫小牧高)は7分1秒17で8位入賞を果たした。カーリング女子日本代表のロコ・ソラーレは、1次リーグ初戦でスウェーデンに5―8で敗戦。スキー距離女子10キロクラシカルに出場した石田正子(41、JR北海道)は27位だった。
観客だった平昌から4年
観客として会場を訪れた前回の平昌大会から4年。当時中学2年生だった堀川が、日の丸を背負って大舞台に戻ってきた。初の五輪を終え「自分のいつも通りの滑りが出来て、大きい舞台で自己ベストを出せた。次につながるレースになった」と充実の汗を拭った。
実家は大樹町で乳牛880頭を飼養する酪農家で、きょうだい5人全員がスピードスケート経験者。先に競技を始めていた兄2人と姉に続き、堀川も4歳でスケート靴を履き、堀川家一丸で五輪出場の夢を追ってきた。
酪農業が忙しい両親に代わり、往復2時間かけて帯広市内のリンクまで送迎したのは祖父・要一さん(72)と祖母・典子さん(69)。チームの全体練習が始まる毎年6月からシーズンが終わる3月までほぼ毎日、成長を願って練習をサポートし続けた。
信念でもある「やるなら一番」と口酸っぱく言い続け、時には厳しく指導したという要一さん。その期待に応えるように孫たちは世界の舞台に出場し、活躍してきた。2017年に自宅敷地内に建設した記念館には、展示スペースいっぱいの1000点以上のメダルなどが飾られており、2棟目の建設も予定されている。
次回の五輪では中心選手としての活躍が期待される。堀川は「4年間本気でやれば(この日の優勝タイムにも)追いつけると思う。本気でスケートと向き合いたい」
次に追う夢は五輪のメダル獲得。新たな挑戦がここから始まった。
堀川 桃香 (ほりかわ・ももか)2003年7月10日、大樹町生まれ。4歳からスピードスケートを始め、大樹中2、3年時に全国中学大会女子3000メートルで連覇。白樺高では、1、2年時のインターハイで2年連続2冠を達成した。昨年末の北京五輪代表選考会女子5000メートルでは、7分10秒49の日本ジュニア記録をマークした。164センチ。家族は両親と兄2人、姉、弟。
■押切 平昌超え8位「力出し切れた」
押切が前回の平昌大会を上回る8位に入った。同大会後はケガや精神面の不調で一時休養。約2年半競技から離れ、昨シーズンの全日本距離別選手権で復帰した。苦しんでたどり着いた3度目の大舞台。レースを終え「自分の力を出し切れて自己ベストだったので、満足している。つらいことはあったけど、乗り越えて、ここに戻って来れて本当に良かった」と話した。
■石田 日本勢最高27位
女子10キロクラシカルに5大会連続出場の石田が登場し、30分50秒6で日本勢最高の27位となった。レースを終えて石田は「体は明らかに動いていたが、下りが本当に滑らなかった。残念だけど、しっかりと休んで(12日の)リレーに向けて仕上げていきたい」と気持ちを切り替えていた。(共同)