ファイターズ
2022/02/12 13:24

新庄マジックに釘付け 「みんな楽しんでくれて良かった」

神出鬼没のビッグボス流采配! 四回、新庄監督はバックスクリーン横から、中堅を守る石井に指示を出す(撮影・桜田史宏)

 ビッグボスマジックだ。日本ハムは春季キャンプ中の11日、沖縄県名護市で阪神と練習試合を行い、新庄剛志監督(50)が仰天采配を披露した。オーダーは福引などで使われる「ガラポン」で決定。一回は打者3人に連続でバントを指示するなど、奇襲を繰り出し、相手チームや観客を驚かせた。

 型にはまらない。朝、さっそうと大型三輪バイクで登場した新庄監督は「オーダー、お楽しみに!」と笑顔で予告し、球場入りした。その言葉の真意は後に判明した。

 場内アナウンスでスタメンが発表された。1番サード上野から始まり、4番ショート谷内、5番センター石井…。見慣れないラインアップだ。観客は静かだった。

 指揮官が舞台裏をSNSで明かした。出場メンバーが順に商店街の福引で使われるような「ガラポン」を回す映像が投稿された。コロンと飛び出した球に書かれた数字がこの日の打順だった。

 谷内が強運を発揮し、宣言通りに4番を引くと、選手たちは大盛り上がり。新庄監督は「何番になろうが、みんなでワイワイ楽しんでくれたのは非常に良かった。意図は試合前の勢いを付けさせるためのムードづくりかな」と満足げにうなずいた。

 また、一回の攻撃も異例だった。上野、片岡、宮田が阪神先発の藤浪に対し、揃ってセーフティー気味のバントを試みた。走者はいない。荒れ気味の剛速球に苦しめられ、投ゴロ、三振、三振に終わった。

 不可解なミッションの裏に、深い読みと戦略があった。「ベンチの選手たちに、なんで失敗するんだろうと確認させたかった。あとは(他球団に)オレが何をしてくるかわからないと(思わせたかった)」。シーズン本番に備えた布石を打っていた。

 投手陣についても「四球を出すなら場外ホームランを打たれて、と言っている。四球は好きではないし、野手のリズムを崩す」と持論を展開した。結果は引き分けだったが、独特の感性が色濃く反映された新庄イズムは、着実にチームを変えていく。

石井 前田氏から指導

 「5番・中堅」で先発し、2打数2安打と結果を残した。試合前練習で評論家の前田智徳氏=写真右=から受けた助言が生きた形となった。「めっちゃ緊張しました」という人生初の中堅守備を難なくこなした。ドラ3水野も適時打を放つなど、内野手争いが激しい。「負けていられない。そこはしっかりと自分の良さを出していきたい」とさらに気持ちを強くしていた。(名護)

池田 初実戦で最速151㌔

 実戦初登板となる先発マウンドで、2回1安打無失点と順調な仕上がりぶりを見せた。球場のスピードガンで最速151キロをマーク。「次につながる試合になった。球速もまあまあ出ていた。(球速アップは)課題として考えていたので、ちょっと数字として出たのはほっとしている」と安堵していた。移籍2年目右腕が、好スタートを切った。(名護)

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