北広島リトルシニア3人組道外強豪へ「甲子園で対決したい」
中学硬式野球・北広島リトルシニアの3選手が道外強豪校へ進学することが決まった。強肩強打の北川睦捕手(岩東光中3年)は甲子園春夏通算8度の優勝を誇る大阪桐蔭高へ、俊足巧打の沢田遥斗外野手(札真栄中3年)と内野手の髙岸栄太郎主将(千歳富丘中3年)は、昨夏甲子園4強で、今春のセンバツに3季連続出場する京都国際高へ進む。3選手は甲子園での対戦を夢見て、互いに切磋琢磨する。
北川大阪桐蔭進学打撃に自信アリ
北川は幼いころから憧れだった西武・森友哉(26)の背中を追いかける。「合格が決まって、いまは素直に楽しみ。1年の秋からベンチに入って神宮大会出場。最終的に春夏甲子園連覇」と、明確な目標を立てて日本屈指の強豪校に飛び込む。
岩見沢小1年で野球を始めたころ、甲子園で活躍する森の姿をテレビで見て目を奪われた。同6年時、ファイターズジュニアに選出。札幌ドームで行われた12球団ジュニアトーナメントの開会式では、その年の甲子園で春夏連覇を達成した大阪桐蔭高の根尾昴(21、現・中日)と藤原恭大(21、現・ロッテ)がゲストで登場。甲子園のヒーローを間近に見て、同校へ憧れる気持ちは、日に日に増していった。
右投げ右打ちの北川。最大の魅力は、身長167センチながら体重82キロと、がっしりとした体から放たれるパンチ力のある打撃。そして遠投95メートルの強肩だ。西武・森も170センチ、85キロと体格はそれほど変わらない。「自分も背は高くないし、森選手のように打てる捕手を目指して頑張りたい」。偉大な大先輩をお手本に、激しいポジション争いを勝ち抜く。
沢田、高岸京都国際進学
京都国際高へ進む沢田は100メートル12秒3の俊足で、昨年は公式戦24試合に出場して盗塁は一度も失敗しなかった。「少しでも早く自分の足をアピールして、代走要員でもベンチに入りたい。そして1番中堅で甲子園に出たい」。現在は右打ちだが、自らの武器を生かすために一塁ベースに近い左打ちにも挑戦中だ。
髙岸主将は、けがに泣いた中学時代のリベンジを誓う。千歳高台小6年時に北川とともにファイターズジュニアに選出。しかし、千歳富丘中1年時に利き腕の右肘離断性骨軟骨炎を発症。将来を見据え、昨年3月に手術した。「悔しかった。1年間、けがをしないで戦える体をつくる。3年になったときに、甲子園で優勝できる選手になりたい」と、再起を図る。
北川を含めた3人はともに「甲子園で対決したい」と口を揃える。大阪桐蔭高とは同じ近畿地区で練習試合の機会が多く、「北川が捕手なので、盗塁でも勝負したい。それが甲子園で実現したら最高」と沢田。野球漫画のような物語は、まだ始まったばかりだ。