美帆 団体追い抜き、女子1000メートルW金へ弾み
【北京(中国)14日=島山知房】スピードスケート女子の高木美帆(27、日体大職、帯南商高出)が金メダル奪取に挑む。きょう15日には2連覇がかかる団体追い抜きの準決勝(その後に決勝)に登場する。17日には個人の1000メートルが行われる。13日の500メートルでは銀メダルを獲得。7日の1500メートルに続いて表彰台に上った。勢いに乗る日本女子のエースが残り2種目でダブル頂点を狙う。
残り2種目の金メダル獲得へ、高木美のギアが上がってきた。得意の中距離種目とは違い、専門外の500メートルで価値ある銀メダル獲得。レースを重ねるごとに北京のリンクにも慣れ、メダル量産態勢に入った。
疲労を考慮し、欠場も考えた500メートル。「1500メートルが終わった段階で、パシュートのことを考えると、出るかどうかも本気で考えた」と言うが、挑戦する姿勢を貫いた。カナダ・カルガリーの高速リンクでマークした自己ベストを0秒10更新。自身も驚きの滑りで、並み居るスプリンターを押しのけた。
心強い“相棒”の復帰も力になっている。2015年のナショナルチーム結成後から指導を受けているヨハン・デビットコーチ。新型コロナウイルス感染で療養していたが、この日からチームに戻ってきた。技術的なアドバイスはもちろん、精神面に与える影響も大きく「ふとした時にかけてくれる言葉が急になくなった期間はしんどいものがあった。やっと揃ったチームジャパンで戦いたい」と力を込める。
残るは団体追い抜きの準決勝、決勝、1000メートルの最大3レース。8日間で4レースをこなし、疲労は蓄積されているが「この後の2種目次第で、このメダル(500メートルの銀)の意味をさらに上げられる」ときっぱり。もう銀メダルはいらない。連覇、そして個人種目での悲願の金メダル獲得へ挑戦する。