ファイターズ
2021/09/12 10:07

王柏融から初回11点 1イニング球団最多タイ

日本ハムは1回裏に球団最多タイの11得点をマーク

■日本ハム17-5ソフトバンク(11日、札幌ドーム)

“満塁大王”の活躍で記録的大勝だ!! 日本ハムは11日、ソフトバンク戦(札幌ドーム)で17―5と大量点を奪って快勝した。一回1死満塁で王柏融外野手(28)が2点適時二塁打を放って先制すると、打者15人の猛攻を仕掛け、球団タイ記録となる1イニング11得点をマーク。二回にも続けて打者一巡するなど、相性の悪かった相手から17点を奪った。王柏融は来日最多5打点。今季、満塁機の打率は驚異の5割越えと満塁男にふさわしい結果を残している。

「チャンステーマ」が鳴りやまない。これまでの鬱憤(うっぷん)を晴らすかのように、一回から日本ハム打線が爆発した。40分間におよぶ打者15人の猛攻で、球団タイ記録となる1イニング11得点。二回にも打者一巡の猛攻で5点を追加するなど、今季最多の17得点をマークした。
 前回対戦で八回途中無失点に抑えられるなど苦手としてきた相手先発の石川を一回でKO。「すごくいい投手なので、なかなか勝てなかったんですけど、ちょっと慣れてきた部分はありますし、それがきょう爆発したと思います」。そう胸を張ったのは、ビッグイニングの口火を切った「台湾の大王」こと王柏融だ。
 まずは一回1死満塁で迎えた第1打席。石川の148キロ直球を左翼線へ運び、先制の2点二塁打を放った。後続の打者も続き、勢いは止まらない。
 この回2死一、二塁で再び回ってきた打席では「ここで打ったらかっこいい」と奮起。2番手・高橋礼の130キロを右翼線へはじき返し、2本目となる2点二塁打。二回にも中前適時打をマークし、来日3年目で自己最多の5打点を挙げた。
 まさに「満塁男」の異名がふさわしい。今季は打率・241ながら、チャンスにめっぽう強く得点圏打率は・333。特に満塁機では13打数7安打18打点、打率・538と打ちまくっている。
 「絶対に走者をかえそうという気持ちを持って、打席に集中して入った結果です」。本人は意識していないというが、驚異的な数字を残している。
 台湾球界から鳴り物入りで入団し、3年契約の3年目。チームメートと積極的にコミュニケーションを図る。この日のお立ち台では「ありがとうございます」と流ちょうな日本語を披露。「ちょっと、少しだけ」と日常会話程度なら難なくこなしている。
 9日には28歳の誕生日を迎えた。練習前には「親友」のR・ロドリゲスが、スペイン語バージョンのバースデーソングで祝福。「うれしいです」と照れ笑いを浮かべ「体が健康な1年に。そして一戦でも多くチームの勝利に貢献したい」と決意を新たにした。
 「新満塁男」の活躍で、チームはソフトバンク相手にホームゲーム今季初勝利。苦手意識を払拭するには十分な記録的大勝となった。(中田愛沙美)

 

 《1》日本ハムの1イニング11得点は、2012年8月21日オリックス戦以来で球団最多タイの3度目。一回に記録したのは、東映時代の1966年8月20日東京戦以来2度目。プロ野球記録は、2009年にロッテが記録した15得点。
 《2》1試合17得点は2008年10月1日楽天戦以来で、その試合のスコアは17―0。北海道移転後の最多は04年5月12日ロッテ戦の20得点。球団最多は東急時代の1949年11月19日太陽戦の22得点。
 《3》王柏融の満塁時の打撃成績は今季13打数7安打で打率・538、18打点。得点圏は57打数19安打で打率・333、31打点。

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