鳥栖に2-2ドロー 札幌 チグハグ逸勝
■ルヴァン杯 1次L第1節 札幌2―2鳥栖(23日、佐賀・駅前不動産スタジアム)
ルヴァン杯もドロー発進―。北海道コンサドーレ札幌は23日、敵地で鳥栖と対戦し、2―2で勝ち点1を分け合った。前半2分、古巣に復帰したDF西大伍(34)の不用意なバックパスからオウンゴール。後半から投入されたDF田中駿汰(24)が同5分に同点ヘッド。同14分には同じく途中出場のMF金子拓郎(24)がゴールして一時勝ち越したが、同27分に同点に追い付かれ、今季公式戦初勝利はお預けとなった。次はリーグ戦で、26日に札幌ドームで広島とのホーム開幕戦に挑む。
田中駿 同点弾&金子 勝ち越し弾実らず
課題と収穫が浮き彫りとなったドロー試合だった。リーグ戦開幕試合に続き、先にリードしながら勝ち切れず。ペトロビッチ監督は「前半の出来を見れば、引き分けの結果は良い引き分けと言っていい」と、敵地で奪った勝ち点1を評価した。
先発11人を全員入れ替えて臨んだルヴァン杯開幕戦。思わぬ形で先制点を献上した。開始2分、最後尾でボールを持った西が右サイドで相手に詰められ、GK中野へバックパス。右足アウトサイドで枠外へ出したかに見えたが、ボールは中野の足先をかすめ誰もいない自陣ゴール左隅へ。その後も細かいパスミスが目立ち、中野のファインセーブで辛うじて切り抜けたが、何度も決定機を招いた。
ハーフタイム後、リベロにMF高嶺、右CBに田中駿、右シャドーに金子の大卒トリオが投入されると、全体の動きが格段に改善された。田中駿は前半の戦いぶりを「選手間の距離が遠い」と分析。3人を中心にビルドアップのテンポが上がり、前半に鳴りを潜めていた右サイドからの攻撃が一気に活性化した。
すると田中駿が後半5分、右CKから頭で今季初ゴール。「ミラン(トゥチッチ)がいい感じでそらしてくれたので、自分は触るだけだった」。同14分には相手DFへのプレスから奪取したボールを最後は金子が左足で決めた。「逆点のゴールは評価できますけど、そのあと2―1の状態で逃げ切ることができなくて、そこは課題でもあり、悔しくもあります」と、満面の笑みを見せることはなかった。
突き上げる力必要不可欠
ルヴァン杯のタイトル獲得を狙う上では、セカンドユニットの突き上げが必要不可欠。指揮官は「チームとして経験を積ませながら、普段出ている選手をうまく起用し、内容と結果を求めて若い選手を育てていければ」と、前を向いた。
26日にはいよいよホーム開幕戦が待ち受ける。田中駿は「多くのサポーターが応援に来てくれると思うので、ホームでは勝つことにもっともっとこだわって、勝ち点3を取りにいきたい」とキッパリ。今度こそ、笑顔で試合終了の笛を聞く。