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日本バンタム級王者沢田 母校で飛躍誓う
今月上旬のプロボクシング日本バンタム級王座決定戦を制し、新王者となった沢田京介(34)が24日、母校の札工高を訪れ、恩師にベルト奪取を報告した。同校OBで初の日本チャンピオンとなった沢田は恩師や関係者から激励され、さらなる飛躍を決意。タイトル防衛を重ね、世界戦に挑戦することを新たな目標に掲げた。
沢田がチャンピオンとして母校を凱旋訪問した。「ベルトを持ってこられて良かった」と誇らしげに笑った。
念願がかなった。2019年10月にタイトル初挑戦が決まり、20年4月に試合が組まれた。だが、コロナ禍での度重なる延期や王者の引退、負傷判定、対戦相手の計量キャンセルなど次々と不慮の事態に見舞われ、今月5日まで王座奪取を阻まれてきた。
不屈の闘志は「原点」と語る札工高で培った。定時制に通い、午前中はスーパーなどで働いた。練習は連日、授業後の午後9時過ぎにスタート。当時、定時制に通う部員が少なく、練習パートナーは大江大監督(49)が務めていた。試合が延期になるたびに励まし続けた大江監督は「本当に良かった」と目を細めた。
その姿は後輩たちの手本でもある。当時、顧問を務めていた清水正澄さん(74)は「こういう先輩がいる。(現部員にとって)大きいし、刺激になる」と喜んだ。
清水さんから「5回ぐらい防衛して3年以内に世界戦を」とハッパを掛けられた。沢田は「ここからが始まり」。次に狙うは世界王者だ。