≪河合CRC竜の眼≫興梠 気の利くプレーで好機演出
北海道コンサドーレ札幌の河合竜二CRC(コンサドーレ・リレーションズチーム・キャプテン、43)が赤黒戦士の魅力に迫る連載企画。今回は、19日の清水戦で札幌での初陣を迎えたFW興梠慎三(35)のプレーに注目する。実績十分のストライカーが札幌にもたらしたプラスとは。
守備でも貢献 ハイプレスのスイッチ役
(興梠)慎三は去年までのコンサドーレに欠けていた部分を補ってくれた。1トップでのボールの収まりが良く、背後へのフリーランで相手のDFを押し下げることもしてくれる。それによってバイタルエリアにはスペースが生まれる。受けに来るタイミングも良く、簡単にボールを失わない。35歳になった今も全くさび付いていない。
ペナルティーエリア内のアクションが今までの数字を物語っている。常に止まることがなく、相手が嫌がるところを突き続ける。清水戦ではゴールエリアにいたのにもかかわらず、PKマークまで落ちた動き出しが、少なくとも2度あった。
1度は前半6分にMFルーカスが左ポストに当てたシーン。そして同35分に相手のハンドを誘発し、PKを獲得した場面もそう。気の利いた動きで、いずれも決定的なチャンスを生んだ。
守備に関しても十分、ハイプレスのスイッチ役になれると感じた。ミシャさんは浦和時代にも1度ハイプレスを試しているし、何より監督のサッカーを熟知している。ベテランながらミスした後も切り替えをしっかりやる。確実にチームに高い意識が浸透する。
同戦の前半は、DF福森から斜めに1トップにボールが入るシーンが多かった。通らなかったシーンでも、昨季よりDFが一発で1トップを見ている。これも慎三が入ったことによるプラスだ。
あすは広島とのホーム開幕戦。ファン、サポーターは待ち望んでいると思うし、選手も長いキャンプを経て迎えるホーム開幕戦には特別な思いがある。アウェーで勝ちきれなかった分、札幌ドームで躍動してほしい。(コンサドーレ・リレーションズチーム・キャプテン)