コンサドーレ
2022/02/27 13:51

興梠がホーム開幕戦で移籍1号 J1通算100勝逃すも新エースに沸いた

前半11分、相手DFの裏をかきゴール右へ現役最多の159点目

移籍第1号を決めて札幌の新エースをアピールした興梠(撮影・小田岳史)

■J1第2節 札幌1―1広島(26日、札幌ドーム)

 クラブJ1通算100勝はお預けも、実績十分の新エースが完全復活への一歩を力強く踏み出した。北海道コンサドーレ札幌は広島とホーム開幕戦を戦い、1―1で引き分けた。幸先良く前半11分にFW興梠慎三(35)の加入後初ゴールで先制したが、後半9分に同点を許した。興梠の得点はJ1通算159点目。小笠原満男(鹿島)の記録に次ぐJ1での16年連続得点で、歴代2位の中村憲剛(川崎)に並んだ。

まだまだ未完成でも「気持ちに余裕、これからが楽しみ」

 ゴールを射抜いた現役最多スコアラーは、スタジアムの熱狂にポンポンと左胸のエンブレムを叩いて応えた。前半11分。興梠が札幌での第1号を幸先良くぶち込んだ。

 J1通算159点目。自らが起点となって仕掛けた攻撃を、完結させた。センターサークル付近から左サイドへ大きく展開。ゴール前へ走り込み、左足ワンタッチで仕留めた。「後ろから来たボールで難しかったが、ミートすることだけ考えた。ゴールの位置は把握している。うまくいいコースに飛んでくれた」とうなずいた。

 超一流FWの加入がもたらすメリットは計り知れない。DF福森は「(興梠)慎三さんは前で起点がつくれる。パスが少しズレても、身体をぶつけてキープしてくれる。動き出しもピカイチ。ものすごくやりやすい」と絶賛する。先制点は福森が相手と交錯しながら出したラストパスから生まれた。「嗅覚がある人の前にはボールが転がるんだなと、改めて思った」と最敬礼した。

 身体は万全ではなく、練習終わりの両膝はアイシングでぐるぐる巻き。25日の前日練習も、ミニゲームには加わらない自己流で整えた。積極的な休養の背景には「1試合も離れたくない」との強い覚悟がある。ペトロビッチ監督はキャンプから調整を一任。全幅の信頼に、満点回答した。

 先制しながらも追い付かれての引き分けは、19日の清水戦と同じ。興梠は「いい立ち上がりをして、いい時間帯に得点できたが、清水戦と同じで2点目がとれなかった。反省点が改善できていない。悔しいし、勝ち切る力をつくらないといけない」と課題も挙げた。今季初勝利へ、連係をさらに深めていく。

 自らを「スロースターター」と呼ぶ。開幕直前、仕上がりは50%と言った。「2節でゴールをできたのはすごく気持ちに余裕ができる。これからが楽しみ」。まだまだギアを上げる。赤黒のエースとして、ここから本領発揮する。

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