ドラフト６位の長谷川威が、演歌の名曲に乗って快投した。２軍ボス組ながら２６日のＤｅＮＡ戦に招集され、五回から対外試合初登板。「よし、行くぞ！」という気持ちを込めて、登場曲に吉幾三の「雪国」をチョイスし、１回を無安打無失点に封じた。

　埼玉出身だが、金沢学院大に進学。「金沢の雪に合う曲を調べた」ことが、「雪国」との出合いだった。２２歳らしからぬ選曲に球場はどよめき、１歳年上の堀からは「渋すぎ」と笑われた。温暖な沖縄とも逆の歌詞。それでもルーキー左腕は「ゆったりとした曲なので、心を落ち着かせるにはベスト」と意に介さず、新人離れした冷静沈着な投球を見せつけた。

　キャンプでは、３日のブルペン投球時にビッグボスが監督就任後“初打席”に立つなど、大きな期待をかけられている。「期待に応えられるように、自分の準備をしっかりしたい」。追いかけて、追いかけて、追いかけて～～開幕１軍をつかみ取る。（近藤裕介）