日本電産サンキョースケート部廃部 道内関係者にも衝撃と落胆
菜那、師円、清水…道産子オリンピアンを多数輩出
日本電産サンキョースケート部廃部のニュースは、道内のスケート関係者にも衝撃を与えた。現在所属する8選手のうち、5選手が道産子。高木菜那(29、帯南商高出)は北京五輪の女子団体追い抜きで銀メダルに輝いた。日本スケート界を長くけん引してきた同社は、選手の意思を尊重し、競技続行の希望があれば、移籍の支援をしていくと表明した。
寝耳に水とはまさにこのことだ。高木菜や14年のソチ、18年の平昌五輪に出場した男子のウイリアムソン師円(26、浦河第二中出)ら日本を代表するスケーターが現在も所属している。
日本スケート連盟が帯広市に開設しているエリートアカデミーの椿央ヘッドコーチ(56、道日大高出)は「(山形中央高時代の教え子でもある)師円もいるし、非常に残念。会社の事情もあると思うけど、チームスポーツよりもお金はかからないかなと思っていた」と驚いた。
OBもショックを隠せない。北海道オール・オリンピアンズの鈴木靖GM(59)は、1980年に駒大苫小牧高から同社に入社。84年のサラエボ五輪男子500メートルに出場した。
「日本のスケート界をけん引してきた実業団の一つ。五輪選手の輩出も多いし、メダルの数も一番多いのでは。(前身の)三協精機の会長が日本連盟の会長をしていたこともあって、会社を挙げて取り組んでいた。さみしい」と声は沈んだ。
北京五輪女子5000メートル日本代表の堀川桃香(18、白樺高3年)は今春の入社が内定していた。同校の和田貴志監督(45)は「私もニュースで知ったばかり」と困惑した様子だった。堀川はこの日の午前中、卒業式に出席。門出の日に突然の一報を受けた格好だ。同社は堀川へも移籍支援を行う姿勢でいる。
高木菜は帯南商高から2011年に加入。14年ソチ五輪から3大会連続出場を果たし、平昌五輪では2冠を達成。2月の北京五輪では所属唯一の選手として出場し、銀メダル獲得に貢献した。今後の動向に注目が集まる。