冬季スポーツ
葛西 視線は8年後の五輪
解説者として同行した北京五輪帰りの葛西紀明(49、土屋ホーム)が帰道直後の大会でいきなり8位に入賞した。まな弟子・小林陵侑(25)の金メダル獲得など、世界トップクラスの現在地を生観戦し、4年後の五輪出場へ決意を新た。不屈のレジェンドは前を向いた。男子優勝は渡部陸太(26、東京美装)が逆転で勝ち取り、女子は2月の全国中学を制した佐藤柚月(札羊丘中3年)がシニアでも初優勝した。
五輪終了後初の国内大会で、1日夕方に帰道したばかりの葛西が1桁フィニッシュした。「4年後は後輩たちと一緒に出場して金メダルを獲りたい」と、改めて気勢を上げた。
北京滞在中は、日本勢が出場した各競技を回った。ライバル国のジャンプも間近にし、「そんなに差はないなと感じましたね。僕の調子が良くなれば、またW杯も回れると思いますし、4年後の五輪も夢では終わらない」。明確な目標が見え、高いモチベーションにつながっている。
さらに視線は8年後をも見据えている。今大会は、葛西の生まれた年でもある1972年札幌五輪を記念して翌年から開催された。札幌市が招致を目指す2030年へ「地元で五輪ができて、そこでメダルを獲ることを考えたら、すごいことになるんじゃないか、盛り上がるんじゃないか」と未来予想図を思い描く。
今季は4日の宮様国際など残り3試合。「コンチネンタル杯やW杯メンバーに入らないと、五輪にも届かない。順序を経て少しずつ、やっていけたら」。レジェンドの9度目の挑戦が幕を開けた。