札幌 執念ドロー GK菅野PK阻止で窮地救った
■J1第3節 札幌0―0福岡(6日、福岡・ベスト電器スタジアム)
執念のドローで、しぶとく勝ち点ゲット! 北海道コンサドーレ札幌はアウェーで福岡と対戦し、0―0で引き分けた。3バックで構えた福岡の札幌対策に苦戦し、今季公式戦初の無得点に終わった。それでもシーズン序盤はキャンプ地を拠点に戦うハンディを乗り越え、開幕から公式戦5戦負けなし。12日の次節、ホーム・横浜M戦で今季リーグ戦初勝利をつかみとる。
札幌対策でミラーゲームを挑んできた福岡に長所を消され、今季初の無得点。立ち上がりからセカンドボールを拾われる場面が多くペースを握られ、前半はシュート1本に封じられた。後半15分の3枚替えを契機に主導権を奪い返し、終盤は好機もつくったが、仕留めきれず。フル出場のFW小柏は「コンビネーションや裏への抜け出しで崩しにいったが、足りなかった」と悔しがった。
一方で無失点に抑えたのも今季初。敵地で粘り強く勝ち点1を拾った。前半32分にGK菅野がPKをストップ。コースを完璧に読んで、窮地を救った。菅野は「GKコーチからデータも渡されている。蹴る前に(興梠)慎三にも『絶対にこっち』だと言われていた。赤池コーチと慎三のおかげで、僕は右に飛んだだけ」。見せ場をつくったベテランを中心に、集中力高く、守り切った。
北国特有のハンディも、乗り越えた。1月中旬の始動から約2カ月キャンプを行う札幌は、開幕後も熊本を拠点に戦ってきた。その中での公式戦5試合負けなしを、ペトロビッチ監督は「選手たちはよくやっている。一つ、二つでも勝利できれば素晴らしいが、以前ならこうした試合で負けているかもしれない。成長している」と評価する。10日をもって、熊本キャンプは打ち上げの予定。選手たちはようやく、日常に戻る。
リーグ戦初勝利は持ち越し。それでも菅野は「シーズンが終わった時に、この3試合が効いてくると信じて次の試合へ準備したい」と前を向いた。しぶとくつかんだ勝ち点1は、必ず未来へ生きてくる。