万波 2戦連発 OP戦12球団トップタイ3号
■オープン戦 日本ハム5―5ロッテ(8日、鎌ケ谷)
千両役者がまたやった! 日本ハムは8日、千葉・鎌ケ谷スタジアムでロッテとオープン戦を行い、5―5で引き分けた。3点を追う八回2死二、三塁で代打登場した万波中正外野手(21)がロッテ5番手のルーキー右腕・広畑敦也投手(24)から豪快な同点3ランを左翼スタンドにぶち込んだ。12球団トップタイとなるオープン戦第3号をビッグボスも大絶賛した。自身初の開幕スタメンを狙う〝お祭り男〟の2戦連発で、チームは6戦負けなしとした。
「代打・万波」のコールに、鎌スタが沸いた。3点を追う八回2死二、三塁。一発出れば同点の場面で、背番号66が打席に入った。代わった広畑のカウント2―1からの4球目、真ん中高めをフルスイング。打球は一瞬で左中間フェンスを越え、防球ネットを直撃した。推定135メートルの特大3ラン。試合を振り出しに戻し、詰めかけた2130人の度肝を抜いた。
「出る時に拍手が聞こえて、非常にうれしかった。一発出せれば最高だなと思っていた。打った瞬間にもう、これはホームランになると思いました」と胸を張った。
自ら動いて、つかみ取った打席だった。八回からロッテは左腕・成田が登板。「タミちゃん(田宮)が左打者だったので、(代打が)あるとしたらそこかなと思って、(新庄監督の)視界に入るところでずっとチョロチョロしてめっちゃアピールした。バットと手袋、全部着けて」。狙い通り、「9番・田宮」の打順でビッグボスから「行ってこい」と背中を押された。
まさに絶好調だ。オープン戦はここまで7試合に出場し、12球団トップタイの3本塁打をマーク。16打数7安打で打率.438と課題だった確実性にも向上の兆しが見え始めている。
今オフから、ウエートトレーニングを一切やらない新たな肉体改造に取り組んだ。「目的は筋力アップより野球がうまくなること。ウエートが悪い動きを助長していた。体をちゃんと操作して、動きの再現性、質を高めようとやってきた」。ウオーターバッグを担ぐなど、体に不安定な負荷をかけて体幹を重点的に強化。成果が結果に表れ「今のところプラス。三振が少なくなった」と手応えをつかんでいる。
ビッグボスは殊勲の代打同点弾を振り返り「結果論じゃなくて、あの場面は調子のいい万波君。いやもう、あれ以上の結果はないでしょ! そういう雰囲気あると思ったんで」と満足げ。3月25日の開幕戦まであと17日。期待の21歳は初の開幕スタメンへ、大きく前進した。