冬季スポーツ
スマイルジャパン 久保 今季限りで現役引退
2月の北京五輪で決勝トーナメントに初進出し、6位入賞したアイスホッケー女子日本代表「スマイルジャパン」が8日、オンラインで五輪報告会を行った。同大会を集大成と位置づけていたFW久保英恵(39、西武、道浅井短大出)は改めて今季限りでの現役引退を表明。13日に行われるチームの全体練習を最後に競技人生を終え、メダル獲得の夢を後輩たちに託す。
「氷上のスナイパー」の異名を持ち、女子日本代表を長くけん引してきた久保がリンクを去る。現役最後の公式戦となる予定だった全日本選手権(18~21日、帯広)がコロナ禍で中止となり、有終の美を飾ることはできなかったが、「アイスホッケーをやっていて本当に良かった。長い間、お疲れさまでした」と、自分自身にねぎらいの言葉をかけた。
中学時代から日の丸を背負い約25年間、日本の攻撃陣を引っ張ってきた。自力で初めて五輪の出場権を得たソチ大会、初勝利を挙げた平昌大会はエースとして活躍。近年は度重なるけがにも悩まされて出場時間は減少していたが、北京大会1次リーグのチェコ戦で決勝ゴール。最後まで勝負強さを見せつけた。
久保らが中心となり、代表は着実に歩みを進めてきた。北京大会で主力の多くが30代に突入し、今季限りの引退を示唆している選手も複数いる。26年大会までには大幅な世代交代が予想され、「決勝トーナメントで対等に戦える力をつけてほしい」と、新チームのさらなる成長に期待した。
今後の動向は未定だが、勤務先の太陽生命が主催するアイスホッケー教室の指導は継続する考えだ。「競技人口を増やさないと次につながらない。競技が広がっていくために、これから活動してきたい」。次世代選手の育成にも意欲を見せた。