ファイターズ
2022/03/10 17:57

3安打固め打ち!近藤 オープン戦1号

1点を追う四回、近藤がロッテ・美馬から逆転2ランを右翼に放ち仲間に迎えられる

 日本ハムは9日、前日に引き続いて鎌ケ谷でロッテと対戦し、6―1で逆転勝利をつかんだ。「3番・中堅」でフル出場した近藤健介外野手(28)が、オープン戦1号を含む3安打の固め打ち。打線の中軸に座り、右へ左へ1軍通算打率・308を誇るシュアな打撃でけん引。四回、自らの逆転2ランでチームを鼓舞し、五回に飛び出した万波中正外野手(21)の3戦連続弾を呼び込んだ。“育成の聖地”に詰めかけたファンは、頼りになる選手会長の働きに拍手を送った。

3番復帰でさすがの一振り 「久々に普通な感じ」

 かつて過ごした鎌ケ谷で、近藤が本来の姿を取り戻した。試合前時点でオープン戦打率・154と不振だったが、“今季1号”逆転2ランを含む4打数3安打の大暴れ。復調の兆しを見せ「なかなか試合で結果が出ていない中で、いい形で打つことができてよかった」と笑みをこぼした。

 狙い澄ました一発だった。1点ビハインドの四回無死一塁。一走・万波が4度けん制を受け、「(投手の)打者への意識がおろそかになっていた」と、直球系に絞って引っ張った。甘く入ったシュートを捉えると、打球は右翼フェンスを軽々オーバー。「打てなくなると手で操作しがち。持っている感覚にないくらい体で振りに行って、最高の結果になった」と納得の表情を浮かべた。

 オープン戦はここまで8番や9番で起用されることもあったが、この日は“定位置”の3番で出場。「久々に普通な感じ。一回に必ず回ってくるので、準備はできる」と、第1打席できっちり右前に運んだ。五回にも左前打を放ち、打率は・294まで急上昇した。

 昨季は東京五輪代表にも選出され、金メダルを獲得。出塁率は5年連続で4割を超え、実績を見れば間違いなくチームの主力だ。しかし、近藤自身はキャンプ中から人一倍、新庄監督が強調する「横一線」を意識し、結果を追い求めてきた。

 「打順だったり、試合に出ない日に周りの選手が打ったり、そういうのは気になる。やらないとなという気持ちは常に持っています」

1000安打まであと82本

 プロ通算打率は・308を誇り、節目の1000安打まであと82本に迫っている。過去の栄光を捨て、緊張感を持ちながらレギュラーを奪いに行く覚悟だ。

 若手が躍動するビッグボス新体制で、経験豊富な近藤が果たす役割は大きい。「今は若手がみんな本当に楽しそうにやっている。雰囲気もすごくいい。良いときばかりでもないと思うので、そういう時に僕がいい役目になれれば」。プロ11年目の開幕日「3・25」まで約2週間。さらに状態を上げた巧打者が、今季も打線の中軸に君臨する。

万波止まらん!3戦連発のトップタイ4号!

 「2番・右翼」で先発した万波が、五回1死二、三塁の場面でロッテ先発・美馬のシュートを捉えた。少しタイミングを外されたが、万波のパワーには関係なかった。左翼手の頭上を越え、そのままスタンドに消えていった。

 3戦連発となるオープン戦トップタイの4号3ラン。万波は「うまく対応できた。バットにさえ当たったら何か起こると思っていた。最高の結果になったけど、それ以上に前にしっかり飛ばすっていうのが大きかった」と振り返った。

 三回には適時失策を犯していただけに「強いチャージをして、その上で正確なプレーを行うのは、ボス(新庄監督)がずっとおっしゃっている。それができなかったのは悔いが残る」と反省。それでもバットで取り返せるのが、万波の大きな魅力だ。

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