ファイターズ
《鶴岡慎也のツルのひと声》今川 こだわり貫いたスイングが打球後押し
自分の形にこだわり、自分のスイングを貫き通した打球が、左翼席ギリギリに吸い込まれた。去年なら惜しい大飛球に終わっていたかもしれない。このギリギリこそ、今川の今季に懸けた決意が一押し、打球を伸ばしたともいえる。
自らの特長をさらにビルドアップするため、必死に磨きをかけた打撃。バレルゾーン(最も長打が出やすいと言われている打球角度と打球速度の範囲)を確実に捉えるため、取り組んできたフライボール打法が光った。
社会人から入団2年目。プロで生き抜くことの難しさを肌で感じ、打破するには、持ち味の長打力に磨きをかけること以外にない。2打席目の内野安打も良かった。詰まった打球でもスイング軌道が良いから安打につながる。渋い安打こそ、相手バッテリーには一番響くもの。
抜けたスライダーを本塁打したが、その打席の2球目に150キロ中盤の速球をファウルにした。今後はいかにストレートを一発で仕留められるか。また、低めへの見極めが求められるが、まずは得意なゾーンを絶対にミスショットしないことが大切になる。
オープン戦3号。ムードメーカーが醸し出す雰囲気、そして気持ちのいい笑顔。彼の魅力が全てに開花し始めている。(本紙評論家)