ファイターズ
2022/03/17 14:36

あるぞ!新人開幕スタメン 水野”プロ1号”

水野が五回、与座から鮮やかに“プロ1号”を右翼席に叩き込む。変則右腕の初球を捉えた価値ある一撃で開幕スタメンにまた一歩近づいた(撮影・松本奈央)

 ドラ3水野、あるぞ開幕スタメン! 日本ハムは16日、前日に引き続き西武と対戦。5―7で敗れたが敵地でルーキーが躍動した。ドラフト3位の水野達稀内野手(21)=JR四国=が打っては2安打、守備でもキレ味を見せた。圧巻は五回だ。先頭打者の水野は同回から登板した西武2番手のアンダースロー・与座海人投手(26)の初球を見事に捉え、右翼へ“プロ1号”となるソロ弾を叩き込んだ。日に日に存在感を高める水野、開幕スタメンを大きく引き寄せた。

13年大谷以来の快挙へ「届く位置にいると思う」

 絶対、開幕スタメンに入る―。乾いた音とともに飛び出した打球は思いを乗せ、失速することなく右翼スタンドまで到達した。ドラ3ルーキー・水野、待望の“プロ1号”だ。

 「素直にうれしい。打った瞬間入っている感覚はあったんですけど、プロ初本塁打だったので、余裕をかます暇がなかった。入ってホッとしました」

 初球の甘い直球を見逃し、空振り三振に終わった第1打席の失敗をすぐさま挽回した。五回、先頭で迎えた第2打席。「悔いのある打席にしないように」と、代わった下手投げ右腕・与座の初球を狙い、思いっきり振り抜いた。ベンチで仲間から祝福を受け「自分の一打でチームが喜んでくれるのが、やっぱりうれしい」とはにかんだ。

 尊敬する先輩・近藤からの助言を生かした。数日前、追い込まれてからのボールの待ち方を質問し「逆方向に打てるポイントで真っすぐを待って、変化球に対応する」とアドバイスをもらった。七回の第3打席でフルカウントから、外角直球を遊撃の頭上へはじき返し、二塁打をマーク。「近藤さんに言われたことを頭に浮かべながら、うまくイメージ通り打てた」と自信をつかんだ。

171センチと小柄でもベンチプレス驚異の120キロ!

 171センチと小柄だが、打撃はパワフルだ。香川・丸亀城西高1年時に「自分の細さが嫌になった」と、筋トレに目覚めた。ベンチプレス120キロを挙げるほど鍛えまくり、「打球が速くなって、飛距離も明らかに違った。体も見るからに変わって、そういう自分を見るのが楽しくなった」と急成長を遂げた。社会人、プロへと進んだ今でも継続している。

 守備も光った。近藤の負傷交代により、一回は急きょ中堅へ。二回1死から本職の遊撃に戻ると、好守を連発した。ボテボテの当たりは素早い反応で前へ、強いゴロは打球の距離を測りながら、華麗なハンドリングと安定した送球で仕留めた。

 チームの新人ではただ一人、2月1日の春季キャンプ初日から1軍に居続けている。オープン戦打率は・375。目標の開幕スタメンが、確実に近づいている。「届く位置にいると思う。最後まで気を抜かずにがむしゃらにやっていきたい」。未知の世界を生き生きと進む即戦力ルーキーに、死角は見当たらない。

■データBOX 新人野手の開幕戦先発出場は2004年の北海道移転以降では13年の大谷(ドラフト1位)が「8番・右翼」で出場したのみ。東京時代には1992年の片岡(同2位)が「6番・三塁」、94年の大貝(同4位)が「9番・中堅」、96年の中村が「7番・右翼」などがある。

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