ファイターズ
《岩本勉のガン流F論》水野 打って良し守って良しの実戦タイプ
水野の首脳陣評価はうなぎ上りのはずだ。攻守にたけた動きでチームの戦力として十分な働きを見せている。打って良し守って良し。さらに雰囲気も持ち合わせている。
五回に打った本塁打は見事だった。相手は西武・与座。右アンダースローに対し、初球に答えを出した。練習でも対戦しないタイプ。西武には下手投げ投手がいて、ネクストサークルで準備を施すのがプロだが、水野は持ったイメージを即座に行動力で示した。まさに心技体が合致して成せるものであり、ルーキーとは思えない仕事ぶり。
守備でも粘り強く地面を捉え、しっかりとした下半身からの送球など問題なし。表情も精悍さを増した。ボディーも締まって攻守にキレが生まれている。体重を落とした選手もいるが、締まった体と痩せた体では違いは歴然。さらに練習と試合の取り組みが変わらないことも大きい。こなすメニューの細部にわたり、常に実戦を描きながら行動し、対処法も自ら割り出しているからこそ、初球本塁打をマークできるのだ。
好守好打に一発も秘める実戦タイプ。ドラフト3位ルーキーの開幕戦スタメン起用、僕は推したい。新人ながら、いかにチームを勝利へ結びつけるプレーを見せてくれるか、注目したい。(本紙評論家)