クラーク 山中 辻田 Wエースで聖地初勝利だ
18日第3試合九州国際大付戦
第94回選抜高校野球大会(阪神甲子園球場)が、きょう18日に開幕する。初出場のクラークは第3試合で昨秋の明治神宮大会1回戦で1―5で敗れた九州国際大付(福岡)と対戦する。最速140キロ左腕・山中麟翔投手(3年)と148キロ右腕・辻田旭輝投手(3年)のダブルエースがリベンジを果たし、同校の甲子園初勝利をつかむ。
左右のダブルエースが準備万端だ。左腕の山中は「気持ちも高まって、直球も変化球もいい感じ。必ず1勝して、リズム良く勝ち上がっていけたら」と勝利宣言。継投での登板が予想される辻田も「投手陣が試合をつくらないといけない」と、必勝リレーで白星をたぐり寄せる。
秋の全国4強が相手だろうと、同じ相手に2度負けるわけにはいかない。5日の対外試合解禁後、10日間で練習試合9試合を行い7勝2敗。山中は8試合に先発すると、6日の前橋育英(群馬)戦こそ、長打から失点する場面があったが、その後は本番へ向け、尻上がりに調子を上げてきた。
完投こそないものの、主戦として堂々の投げっぷり。「最初は腕が振れなかったが、数多く投げ、より実戦に近づいた投球フォームが身になってきた。出来は秋よりも上」と山中は胸を張った。
辻田も8試合に救援登板。9日の大同大大同(愛知)戦では四回からマウンドに上がり、持ち味の直球を軸に2回6奪三振の圧巻投球。6日の前橋育英戦後に佐々木啓司監督(66)から体の開きを指摘され、すぐ修正。「真っすぐの伸びが戻ってきた」と、こちらも臨戦態勢は整った。
2年前、山中らは新型コロナによる緊急事態宣言の中、高校野球をスタートさせた。同年夏の甲子園は中止。クラークはその中で行われた道高野連独自大会(北大会)を制した。当時1年だった山中は「2個上は優勝しても甲子園には行けなかった。2年分の思いを全てぶつけたい」
歴史に名を残すことができなかった先輩たちの悔しさも背負い、マウンドに立つ。左右の2本柱が春夏通じて初勝利を絶対につかみ獲る。
■白取主将リハに興奮
この日の午前中、開会式のリハーサルが行われ、大会初日に出場する6校の主将が参加した。選抜旗を持って堂々と行進した白取太郎主将(3年)は「甲子園はすごい大きい」と憧れの聖地に足を踏み入れ、興奮気味に語った。「人生で初めての経験、すごくいい経験ができた」ときょうの九州国際大付戦へ士気を高めた。