大海 開幕へ心配無用!!
苦心の最終テス投10安打4失点も志願の六回3人斬り
シーズン開幕へ準備万端だ! 日本ハムの伊藤大海投手(24)が18日、DeNAとのオープン戦に先発登板し、6回10安打4失点と打ち込まれた。それでも志願して登った六回のマウンドでは3者凡退と本来の投球を披露した。開幕を前にしたラスト登板で高い修正能力を見せつけた。昨季、新人ながら2桁10勝を挙げた道産子右腕。2年目シーズンの開幕にピタリと照準を合わせてきた。試合は1―6で敗れた。
「楽しんでこい」指揮官背中押した
開幕前最後の登板で、6回10安打を浴びて4失点(自責2)。ちょっぴり不安を残す結果となったが、伊藤の表情は明るかった。
時折声を上げながら、112球の熱投。「最後の1イニング、100球超えてきてから志願してでもいって、良かったと思える収穫の多いイニングだった。最後にちょっと見えたかな、というのはあります」と大きくうなずいた。
女房役の宇佐見と話し合い、序盤は得意のスライダーではなく、カットボール、スプリット中心の組み立てで勝負。一回に1点、三回に1点、四回に2点を失い、五回終了時で球数は98球に達した。
100球をめどに交代する予定だったが、武田投手コーチに「もう1イニングいかせてください」と続投を直訴。「今年はイニングをしっかり食いたいという目標もあった。体的には特に問題がなかった」と迷いはなかった。
新庄ビッグボスの声掛けもあった。六回のマウンドに立つ直前に「楽しんでこい」と背中を押された。先頭・知野を125キロのスライダーで空振り三振に打ち取ると、雄たけび。「前半戦を忘れて、次につながるピッチングを、と思った」と後続も牛耳り、3者凡退で抑えた。
志願のマウンドで、光明も見えた。「左手がちょっと遊んじゃってる感覚があった」と投球フォームのズレを感じていたが、「最後のイニングはちょっとバシッと決まり始めていた」と大きな手応えを得た。
2日のヤクルト戦以来のオープン戦登板。開幕に向けて、心機一転を図っていた。トレードマークの長髪を「いきなり、ここまで切ると違和感あるかなと思って2回に分けて」とばっさりカット。「別に失恋したとか、そういう面白い話ないですけど、攻めの短さです」とニヤリと笑った。
2年連続の開幕ローテーション入りは確実だ。この日は、DeNAの東ら各球団の開幕投手が先発したが「意識は別に。たまたま(登板が)きょうだったというだけなので」と冷静に言葉を紡いだ。
悪いものは全部出し切った。最高の準備を整え、大海は2年目のシーズンに向かう。
前向き新庄ビッグボス DeNA打線「振れてるね!」
オープン戦4連敗となったが、新庄監督は落胆していなかった。6失点の内容にも「ベイスターズ打線、振れてるね! 今の打線なら誰が投げても打たれるよ!」と投手陣をかばった。戦う姿勢は常に前向きで「あす(19日)はファンが選ぶスタメン! 選ばれた選手がどんな活躍をするか、楽しみで仕方ない!」と興奮を隠せないようだった。(札幌ドーム)