ファイターズ
《鶴岡慎也のツルのひと声》河野 追い込んでからの決め球が不可欠
先発の河野が5回4失点。一言で表するなら、「もったいない」。一つ一つのボールは良い。直球にスライダー、カーブ、カットボール。どれをとっても申し分ない。それでも一回から打者に粘られ、自身の暴投もあって失点を重ねた。要因は決め球の精度にある。
上背がない左投手の場合、追い込んでからの決め球が必須。チェンジアップやフォークなど落ちる球の習得が不可欠だ。河野はチェンジアップを投げていたが、ワンバウンドになるボールは見極められ、強く腕を振って投げた球はコントロールしきれなかった。
ソフトバンクで活躍した杉内投手や和田投手、元ロッテの成瀬投手。オリックスの宮城も。勝てる左腕にはウイニングショットがある。
課題は当然、本人も分かっている。毎年、先発ローテーションに入り、シーズンを完走してもらわなければいけない存在。打者に向かう強い気持ちもある。あと一歩の技術向上に期待したい。
この日はファン投票による打線がお披露目された。選ばれた選手は意気に感じ、結果が出なければ、申し訳なさも感じたはず。スタメン落ちした選手は「ファンに認められたい」と痛感しただろう。それぞれが良い刺激になったに違いない。(本紙評論家)