ファイターズ
2022/03/21 14:08

浅間 プロ初4番の仕事打 ガラポンもバットも大当たり

プロ初の4番に座った浅間は四回、好機拡大の左前打をマーク。一回には同点適時二塁打を放つなど、存在感を示した(撮影・桜田史宏)

■オープン戦 日本ハム4ー1DeNA(20日、札幌ドーム)

 新庄ビッグボス連勝締め! 日本ハムは20日、札幌ドームでDeNAと対戦し、4―1で勝利。「4番・中堅」で先発出場した浅間大基外野手(25)が期待に応えた。1点を追う一回に右翼線へ同点適時二塁打を放つと、四回には巧みに左前打でチャンスメーク。昨季、規定打席をクリアした男が内容十分の打撃でアピールした。新庄剛志監督(50)率いる新生日本ハムはオープン戦を8勝6敗2分けで終了。25日に開幕するペナントレースに突入する。

 レギュラー確立へ、視界は良好だ。ガラポン抽選により4番を勝ち取った浅間が、しっかりと仕事を全うした。

 1点先制された直後の一回2死一塁。カウント3―1からDeNAの先発・上茶谷の内角に食い込んでくるスライダーを捉えた。打球は右翼線を破る適時二塁打となり、試合を振り出しに戻した。四回には無死一塁から左前打でチャンスを拡大し、松本剛の決勝犠飛につなげた。

 〝プロ初の4番〟にも動じることはなかった。「(4番は)プロに入ってからたぶんない。(横浜)高校時代は高浜ってやつがいたので(笑)、1試合だけ練習試合であるぐらい」と振り返った。「(ガラポンで)4番になったときはうれしかったけど、変に意識してもしょうがないんで、いつも通り変わらずにいきました」と泰然自若の姿勢で結果を残した。

 開幕に向け、右肩上がりの曲線を描いてきた。キャンプ直前に新型コロナの陽性判定を受けて、出遅れた。隔離期間は十分なトレーニングもできず、オフからつくり上げた体はリセットされた。過去に故障歴がある浅間は、焦る気持ちを抑えながら体を作り直した。

 負傷が一番の難敵であることは身をもって知っている。万波や今川、五十幡などライバルたちが存在感を示す中でも焦燥感はなかった。「ここで焦ってけがをしてもしょうがない。しっかり地に足を付けてやっていこうかなと思った」と慎重に段階を踏んだ。

 2月22日の2軍中日戦(名護)で初の実戦出場を果たし、同月26日から1軍に合流した。オープン戦序盤は状態が上がらず2軍戦にも出場するなど、打席を多く重ねたことで感覚は磨かれていった。

 11日広島戦(マツダ)から再び1軍に合流すると、その後の7試合で20打数8安打、打率・400をマークした。前日19日から4打席連続安打と、最高の形でオープン戦を終えた。

 「しっかりとステップアップできるような1年にしたい。若い選手も出てきているので、負けずにやっていきたい」

 昨季、初めて規定打席に到達した浅間。クールな表情の奥では、レギュラー奪取に向けた闘志は、メラメラと燃えたぎっている。

新庄監督 選手の貪欲プレー熱望

 連勝締めだ。投手陣が踏ん張って失点を最小限にとどめ、運に任せた“ガラポン打線”が機能した。オープン戦は8勝6敗2分けで終了。新庄監督は結果について問われ「全く関係ないね。現役のときからそう。起用法を見たらわかるでしょ。全員が試合に出たいという雰囲気にもっていくことが大事」と訴えた。

 選手をまんべんなく起用し、定位置を限定しないシャッフルシフトやガラポン打線を採用。競争心をあおり、貪欲にプレーする姿勢を求めた。

 「(手応えは)全然ある。いい感じ」と認めたように成果はあった。ただ、楽観視はしない。「こんなには打てない。うまくいかないと思う。ここぞというときに打ってもらって、守る野球を続けていきたい」とシビアに本番を想定していた。

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