女子モーグルに新星!梶原有希が北京代表・住吉ら破り初V
■全日本スキー選手権フリースタイル・デュアルモーグル(20日、札幌・ばんけいスキー場)
1対1のトーナメント形式で争うデュアルモーグルが行われた。女子は、札幌市出身の梶原有希(東海大札幌2年)が北京五輪代表の住吉輝紗良(日大4年―倶知安高)ら2選手を破り初優勝。イタリアで25日に開幕する世界ジュニア選手権に向けて弾みをつけた。
2度の直接対決制した 25日開幕の世界ジュニアへ弾み
日本女子モーグル界のニューヒロイン候補・梶原が、オリンピアンとの直接対決を2度制し、頂点まで駆け上がった。「攻めた滑りができたのが良かった。うれしい」と、レース後は頬を緩ませた。
準々決勝では「一番の憧れの選手」だという同じ道産子の住吉と対戦。ターンを武器とする住吉のスピードに食らいついた。時折強い吹雪に見舞われる劣悪なコンディションの中、エアの着地を確実に決めて僅差でゴール。3点差の接戦を制して勢いに乗ると、準決勝も突破。決勝では同じく北京五輪代表の冨高日向子(多摩大)を破った。
出られなかった同五輪は札幌市内の自宅でテレビ観戦した。大舞台で戦う住吉らの姿を目にし、五輪への思いをさらに強くしたと言い、「4年後の(ミラノ・コルティナダンペッツォ)五輪に出たい」と夢を描いた。
22日に出国し、世界ジュニア選手権に出場する。北京五輪5位入賞の川村あんり(日体大桜華高)との直接対決も待ち受けている。「日本の女子は強い。ついていくだけではなく、超えていかないとと思っている。優勝を目指していくけど、(川村)あんりと戦うのも楽しみ」。まずは同世代のトップに立ち、夢舞台への足がかりにする。
■プロフィール
梶原 有希 (かじわら・ゆき) 2002年4月1日生まれ、札幌市出身。札幌白楊小5年時に競技を始める。札北辰中から札新川高、東海大札幌に進学。19年にW杯初出場。同年の世界ジュニア選手権で5位入賞した。159センチ、54キロ。家族は両親と姉、妹。
北京代表・住吉は進退保留「8月くらいまでに」
北京五輪代表の住吉は「(モーグルと)両方、優勝を狙っていた。シングルだけでも狙っていきたい」と気持ちを切り替えた。同五輪後は今季限りでの引退を示唆していたが、周囲からの慰留で現在は進退を保留中。来季のW杯に出場する可能性もあり、「次になりたいものになるまでに準備が必要。8月くらいまでに(進退を)考えていきたい」と話した。