大海シート設置 「大きな夢を抱く人に」
札幌D主催64試合に子供たち招待
日本ハムの伊藤大海投手(24)が22日、「大海シート」の設置を発表した。今季、札幌ドームで行われる主催64試合に北海道の子供たちを各ゲーム4人招待する。「広く大きな海のように、大きな夢を抱く人になってほしい」との思いから自ら発案。鹿部町出身の心優しき道産子右腕が、生まれ育った故郷に恩返しする。
地元・北海道でプレーできることへの感謝の気持ちを胸に、伊藤が子供たちの夢へのチャレンジを後押しする。社会貢献活動の一環として、札幌ドームに「大海シート」を設置。「野球というスポーツが夢や希望を持つきっかけになり、プロのプレーがもたらす感動や興奮がこの先の成長、自立につながってくれたらと思いました」と熱い思いを明かした。
春季キャンプ中から「自分らしく、うちではあまりやってないことをやりたい」と構想を練り「実際に見てもらったほうが響く」と各試合4人を招待することを決めた。対象は北海道内の児童養護施設に入所している子供たちや日本ハムが北海道に移転した2004年に生まれた高校生。「将来の夢」をテーマにした作文も公募し、その中からも選ぶ。
社会貢献活動に熱心だった同郷の大先輩の思いも引き継ぐ。大洋(現DeNA)などで活躍した元投手の故・盛田幸妃さんが開いた野球教室で指導を受けたのが、プロ野球選手を志すきっかけの一つだった。「身近にそういう方がいらっしゃったというのは僕自身すごく大きかった」と言う。
今季は4席を確保したが、今後は席数を増やすことも検討。「僕の活躍次第ですけど」と笑いつつ「始めたからには続けていけるように僕自身も頑張りたいなと思います」と意気込んだ。
この日は全体練習に参加し、入念にキャッチボールを行い調整。公表されていない開幕投手について「誰か分からないので、準備していくだけ」と表情を引き締めた。開幕に向けて準備万端。野球を通して、大海が子供たちへ夢や希望を届ける。(